『歌え!ロレッタ愛のために』マイケル・アプテッド監督が死去
映画『歌え!ロレッタ愛のために』『愛は霧のかなたに』などのマイケル・アプテッド監督が79歳で亡くなったことを、彼のエージェント、ロイ・アシュトンが明らかにした。The Hollywood Reporter ほか複数メディアが報じている。
1941年に英国で生まれたアプテッド監督は、ケンブリッジ大学で学んだ後に、グラナダ・テレビのリサーチャーとして働き始める。その後、1964年から英国のグラナダ・テレビが製作したドキュメンタリー番組「UP」シリーズで、14人の子供を7歳の時から、彼らのその後を7年ごとにフィルムに収め、作品が高い評価を受けた。映画界に移ってからは、『アガサ/愛の失踪事件』『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』などの商業的な作品のほか、数々の秀作も手掛け、『歌え!ロレッタ愛のために』でシシー・スペイセク、『愛は霧のかなたに』でシガーニー・ウィーヴァー、『ネル』でジョディ・フォスターら3人の女優を見事に演出し、彼女たちをアカデミー賞主演女優賞にノミネートさせた(スペイセクは受賞)。
2003年~2009年までは、全米監督組合(DGA)の会長を務め、ハリウッドの監督たちが作品を通してプロデューサーたちと契約を結ぶ手助けなどをしていた。
彼の死について全米監督組合の会長トーマス・シュラムは「彼の(残した)遺産は、映画とわたしたちギルド(全米監督組合のメンバーたち)の基盤として永遠に刻まれていくでしょう。監督及び、比類のないギルドのリーダーとして大胆不敵な先見の明を持っていたマイケルは、他の人が見てこなかった物事の軌跡を見てきたために、われわれは彼の知恵と献身的な生涯の恩恵を受けることができました」とコメントしている。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)