『銀魂』山寺宏一、結末への思い!杉田智和ら声優陣の印象も明かす
公開中の映画『銀魂 THE FINAL』で主人公・坂田銀時の師にして最後の敵・吉田松陽と虚(うつろ)役を務める声優の山寺宏一が、“教え子”である松下村塾メンバーやそれを演じた声優たち、そして物語のラストについて語った。(以下、映画の詳細に触れています)
週刊少年ジャンプで連載された、累計発行部数5,500万部を超える人気漫画「銀魂」(作:空知英秋)が原作。2006年からスタートしたアニメ「銀魂」シリーズの映画3作目となる本作では、原作漫画のラストをベースにした物語が描かれる。
銀時をはじめとする万事屋、かつての盟友である高杉晋助、桂小太郎らと、松陽/虚との最後の戦いが展開。不老不死の力を持つ魔人・虚と、その別人格である松陽という役どころを担った山寺は、松陽が開いた松下村塾で教え育てた銀時、高杉、桂について「三人ともそれぞれしっかり、己というもの、美学を持っている。その根っこの部分に影響を与えたのが松陽ですから、凄いことだなと思います。みんなカッコよくて、凛々しくて」と自身が演じるキャラクターへの責任感をにじませながら語る。さらに銀時と永遠の好敵手である高杉の関係については、「銀時と高杉は考え方も違ったり、本気で戦ったりするけれど、それはどこかで繋がっているからこそだろうな、とか色々考えさせてくれます」と師ならではの視点で話した。
また、弟子たちを演じる銀時役・杉田智和、高杉役・子安武人、桂役・石田彰についての印象も明かす。子安、石田は年齢も近く、共演作も多かったため、「ずっと一緒にやってきた、信頼のおける仲間たち」だという。一方、少し年齢の離れた杉田は、テレビアニメ「銀魂」スタート以前から“面白い声優がいる”と周囲で噂になっていたのだとか。当時初めて観た「銀魂」、そして銀時の印象について、「『こういう役やりたいなあ~!』って思いましたね。二面性があって、面白くてだらしなくて、でもカッコよくて。憧れですよね」と振り返る。「ルパン三世」の山田康雄(ルパン三世役)や、「シティーハンター」の神谷明(冴羽リョウ役)といった先輩声優の演じてきたキャラクターに憧れていたといい、「さらに上を行くような振り幅の坂田銀時を見事に演じていて、すごいなー、頼もしいし、ちょっと悔しいな! って思っていました」と続けた。
本作では、虚との最後の戦いがついに決着。達観したようなキャラクターは他作品でも演じてきたものの、虚はさらに遠い所から俯瞰しているように感じるという山寺。その虚ですら想像していなかった結末を迎えたことに、「もし一声優として何かを言えるならば、あのまま、虚のままで終わってしまっていたら少し悲しかったかもしれませんね。ずっと先生を救えなかったことを気にかけていた三人の気持ちがあるから、最後は松陽先生に戻れたことで、救いになったのではないかと思います」と感慨深げに語った。
また、ギャグシーンに挑戦したラストパートについて、「ああ、僕は結局ギャグなしでこの『銀魂』を終えるのか……と思っていたんですが最後にオマケがあって! 僕、ちょっと油断していました! ギャグパートを一人でやるって大変なんだな! 周りがあって、その空気を見てやるものだなって思ったので、一番苦労したのはそこですね。一番『銀魂』でやりたかったはずなのに!(笑)」とまさかの収録の苦労を告白。「でも嬉しかったし、ギャグの場に松陽先生がいられたのは良かったな。このオマケのおかげでいろんな救いがありますもんね」とアニメ「銀魂」のラストに満足した様子だった。(編集部・小山美咲)