徳川慶喜役、草なぎ剛の起用理由は? 主演・吉沢亮も「オーラすごい」と感激
27日、大河ドラマ「青天を衝け」初回の試写後にリモート会見が行われ、主人公・渋沢栄一を演じる俳優の吉沢亮が出席。徳川慶喜役の草なぎ剛からVTRで共演シーンへの期待が伝えられると、吉沢は「ものすごいオーラがありました」と感慨深そうに語っていた。会見には脚本の大森美香、制作統括の菓子浩、演出の黒崎博も出席した。
農民から「日本資本主義の父」と呼ばれるまでに出世した実業家の渋沢栄一が、幕末から明治に至る激動の時代に翻弄され挫折しながらも、未来を切り開いていく姿を描いた本作。草なぎは、渋沢の人生に大きな影響を与え、生涯交流が続いたとされる徳川幕府最後の将軍・徳川慶喜にふんする。
昨年7月下旬にクランクインした本作だが、現時点では渋沢と慶喜がしっかりと対峙するシーンは未撮影だという。この日VTRで登場した草なぎは「吉沢くんとこれから素敵なシーンがたくさん生まれるのではないかと思っています。ドキドキワクワクできる作品なので、ぜひ楽しみにしてください」とメッセージを送った。
草なぎの発言を聞いていた吉沢は「まだ最初の出会いのシーンと、すれ違うシーンだけで、セリフのやり取りはないのですが」と前置きしつつも「でも、最初の出会いのシーンでの佇まいや、草なぎさんが持っているオーラがすごくて、栄一が一方的に思いをぶつけるシーンでは、慶喜の存在感に負けないようにと熱量が上がりました。草なぎさんのおかげでいいシーンになったと思います」とすでに大きな影響を受けていることを明かす。
制作統括の菓子は、草なぎについて「彼の舞台を拝見していて、すごく憑依型の俳優さんだなと思い、いつかご一緒したいと思っていました」と機会をうかがっていたという。慶喜役への起用理由については「慶喜というのは、優秀だけれどつかみどころがない複雑な人間。明治以降、慶喜は謹慎していて、ほとんどの人との交流を絶っていたと聞いていますが、そのなかでも渋沢とは交流をしていたと言います。とても重要な人物で、物語を引っ張りつつカリスマ性があり、複雑な機微をうまく演じられる人……草なぎさんしか考えられませんでした」と説明した。
脚本家の大森も「渋沢さんは一言で表現するのが難しい方。そのなかでも一本筋が通っているのが、主君と思って仕えていた慶喜さんを一生立てていました。その意味で、最後まで二人の関係性は丁寧に描いていきたい」と慶喜が本作のキーマンであることを語っていた。(磯部正和)