水川あさみ、キネ旬主演女優賞!「想像の範疇を超える役」
女優の水川あさみが映画雑誌「キネマ旬報」による映画賞「第94回キネマ旬報ベスト・テン」で主演女優賞を受賞。4日、Bunkamuraオーチャードホールで行われた表彰式に出席し「いつかはこの場所に立てるような女優になりたいと思っていました」と感無量の表情を浮かべ、受賞を喜んだ。
水川は『喜劇 愛妻物語』では豪放磊落な妻、『滑走路』では心に闇をもつ繊細な妻と、真逆なキャラクターを好演し、主演女優賞を受賞。どちらの作品も「自分の想像の範疇を超えるような役柄」だったことから、振り切った芝居をすることができたよう。司会の笠井信輔アナからの「どちらの役が向いている?」という質問には「どっちでしょうかね……。どちらもやりがいはあります」と悩みながら答えていた。
さらに「こうしてたくさんの賞を受賞する今の自分を、若いころに想像できましたか?」と問われた水川は「いつかはきっと、この場所に立てるような女優さんになりたいと思っていました」としみじみ。「それがこんな風に叶うなんて、とても嬉しいです」と笑顔を見せた。
この日は『喜劇 愛妻物語』のメガホンをとった足立紳監督も会場に駆けつけ、水川は「先ほど足立監督が楽屋に来て、机に置いてあった(水川が表紙の)『キネマ旬報』を観て『嬉しいな。これは宝物だね』と言ってくださったんです。この受賞で監督に少しでも恩返しができたなら嬉しいです」と語る。
『喜劇 愛妻物語』のオファーを受けた際、「『ビビビ』と運命を感じました」という水川。「そんな作品で素敵な賞をいただけるなんて、こんなに嬉しいことはありません。これからも味わいのある作品に長く関わっていきたい」と女優業へのさらなる意欲を見せた。
また、劇場版『アンダードッグ』で主演男優賞を受賞した森山未來は、2012年の『苦役列車』以来2度目の同賞受賞。この日は仕事(舞台)の都合で欠席となったが、ビデオメッセージで「男性で主演男優賞を2回受賞した人は8人しかいないとお聞きしました。その人たちの名前を教えていただき、俄然、賞の重みが増しました。この作品に関わってくれた皆さんに心から感謝します」とスピーチを届けた。(磯部正和)