英国アカデミー賞ノミネート発表!“全員白人”からの大改革でかつてなく多様性に富んだ顔ぶれに
現地時間9日、第74回英国アカデミー賞(BAFTA)のノミネーションが発表された。賞レースを席巻しているクロエ・ジャオ監督のロードムービー『ノマドランド』と、ロンドンで暮らす黒人少女を主人公にしたドラマ『ロックス(原題) / Rocks』がそれぞれ最多となる7部門ノミネートを果たした。
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それに続く6部門ノミネートとなったのは、『ファーザー』『Mank/マンク』『ミナリ』『プロミシング・ヤング・ウーマン』の4作品だ。
前回の英国アカデミー賞では、演技部門の候補者が全員白人、監督賞の候補者に女性が一人もいないといった“多様性の欠如”が大きな問題に。そこで英国アカデミーは、7か月かけて投票ルールや規則の見直しを図る大改革を実行。会員たちがなるべく全ての候補作を観るようにしたり、4つの演技部門および監督賞のノミネート枠を6つに増やしたりした結果、今年の候補者・候補作は今までになく多様性に富んだ顔ぶれとなった。
監督賞には英国アカデミー賞史上初めて4人の女性監督がノミネートされたほか(これまでの最多は1人)、演技部門にノミネートされた24名のうち、21名が初ノミネートとなっている。
授賞式は4月10日と11日に、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールからバーチャルで開催される。(編集部・市川遥)
第74回英国アカデミー賞 主な部門のノミネーションは以下の通り
■作品賞
『ファーザー』
『ザ・モーリタニアン(原題) / The Mauritanian』
『ノマドランド』
『プロミシング・ヤング・ウーマン』
『シカゴ7裁判』
■監督賞
トマス・ヴィンターベア 『アナザー・ラウンド(英題) / Another Round』
シャノン・マーフィ 『ベイビーティース』
リー・アイザック・チョン 『ミナリ』
クロエ・ジャオ 『ノマドランド』
ヤスミラ・ジュバニッチ 『クォ・ヴァディス、アイダ?(原題) / Quo Vadis, Aida?』
セーラ・ガヴロン 『ロックス(原題) / Rocks』
■主演男優賞
リズ・アーメッド 『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』
チャドウィック・ボーズマン 『マ・レイニーのブラックボトム』
アダーシュ・ゴーラヴ 『ザ・ホワイトタイガー』
アンソニー・ホプキンス 『ファーザー』
マッツ・ミケルセン 『アナザー・ラウンド(英題) / Another Round』
タハール・ラヒム 『ザ・モーリタニアン(原題) / The Mauritanian』
■主演女優賞
ブッキー・バックレイ 『ロックス(原題) / Rocks』
ラダ・ブランク 『40歳の解釈:ラダの場合』
ヴァネッサ・カービー 『私というパズル』
フランシス・マクドーマンド 『ノマドランド』
ウンミ・モサク 『獣の棲む家』
アルフレ・ウッダード 『クレメンシー(原題) / Clemency』
■助演男優賞
ダニエル・カルーヤ 『ユダ・アンド・ザ・ブラック・メサイア(原題) / Judas and the Black Messiah』
バリー・キオガン 『カーム・ウィズ・ホーセス(原題) / Calm With Horses』
アラン・キム 『ミナリ』
レスリー・オドム・Jr 『あの夜、マイアミで』
クラーク・ピータース 『ザ・ファイブ・ブラッズ』
ポール・レイシー 『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』
■助演女優賞
ニアフ・アルガー 『カーム・ウィズ・ホーセス(原題) / Calm With Horses』
コサル・アリ 『ロックス(原題) / Rocks』
マリア・バカローヴァ 『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』
ドミニク・フィッシュバック 『ユダ・アンド・ザ・ブラック・メサイア(原題) / Judas and the Black Messiah』
アシュリー・マデクウィ 『カウンティ・ラインズ(原題) / County Lines』
ユン・ヨジョン 『ミナリ』
■アニメ映画賞
『2分の1の魔法』
『ソウルフル・ワールド』
『ウルフウォーカー』