鈴木福、映画『ゾッキ』未体験の役で殻破る「楽しかった」
俳優の鈴木福が20日、都内で行われた映画『ゾッキ』公開直前イベントに登壇。劇中で、イメージを壊す芝居に挑戦したという鈴木は「楽しかった」と撮影を振り返った。イベントには、本作を共同制作した竹中直人監督、山田孝之監督、齊藤工監督、出演の九条ジョー(コウテイ)、松井玲奈、原作の漫画家・大橋裕之も来場した。
本作は、大橋が2017年に発表した初期作品集「ゾッキA」「ゾッキB」を原作に、ありふれた日常に巻き起こる不思議な笑いを描くヒューマンコメディー。松井らに加え、吉岡里帆、松田龍平、安藤政信、ピエール瀧、倖田來未など豪華キャストが名を連ね、大橋の生まれ故郷である愛知県蒲郡市でロケが行われた。
2019年の朗読劇で共演した竹中監督が、「声の音色」に惹かれてキャスティングしたという鈴木は、レンタルビデオ屋のアルバイト店員・伊藤役で本作に出演。「今までになかったような役だったので、すごく楽しみながら、戸惑いながらも、竹中監督にいろいろ教わりながら楽しく撮影ができました」と満面の笑み。「殻を破ると言いますか、自分の中で発したことがないようなこと(言葉を発したり)や、書くことがないようなこと(文字を書いたり)など、いろいろな経験をさせていただいたことが楽しかったです」と喜んだ。
白塗りに丸刈りという、幽霊のような女性役に挑んだ松井は、「何かにつけて幽霊を演じることがありまして、井戸から出たり、床を這いつくばることがあったんですけど、『ゾッキ』の話をいただいて、役の画を見た瞬間に、こんなに素晴らしい幽霊のような役は、二度とできないと思ったのですぐにお返事しました」と回顧。「不思議な空気感のある女性だと思いましたが、(竹中監督には)真っ白に作っていただいて、その場で自分が思ったように言うのが一番正しいのかなと思って演じていました」と体当たりで臨んだことも打ち明けた。
また、友達がいない高校生・伴くんを演じた九条は、本作で演技に初挑戦。最初は「ドッキリ番組かと思った」とジョークを飛ばしながら、齊藤監督から「バリカンで行くぞ」と丸刈りにされたときに、「伴がそこにいると思った」と自画自賛。これには齊藤監督も「自分で『伴がそこにいる』って言えるってすごいな」と苦笑いだった。
宮城県で震度5強の揺れを観測した地震の影響でイベントが一時中断する場面もあったが、冷静に対処し、トークで会場を盛り上げた一同。この日は竹中監督の65歳の誕生日ということで、蒲郡の名産物・みかんをイメージした特別ケーキをサプライズプレゼントされると、竹中監督は「うわ~、みんなで食べたい。最高です」と感激の表情を見せていた。(取材:錦怜那)
映画『ゾッキ』は4月2日より全国公開 3月20日蒲郡市先行上映、3月26日愛知県先行公開(一部劇場除く)