元祖バイプレイヤーズ、大杉漣さんの願い叶え感無量
映画『バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~』(4月9日公開)の完成披露イベントが29日に都内で行われ、ドラマ版から出演している“元祖バイプレイヤーズ”の田口トモロヲ、松重豊、光石研、遠藤憲一が登壇。同じく“元祖バイプレイヤーズ”でとして出演し、2018年2月に亡くなった大杉漣さんに思いをはせた。
本作は、バイプレイヤーたちが実名で出演したテレビ東京の連続ドラマ「バイプレイヤーズ ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」(2017)、「バイプレイヤーズ ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~」(2018)の劇場版。富士山の麓にある撮影所で100人の役者が出演する自主映画の撮影に難航する若手バイプレイヤーたち、配信ドラマの撮影に臨む元祖バイプレイヤーたちが交錯し、騒動を巻き起こしていく。
田口は、「(ドラマ)シーズン2の終盤に漣さんが突然いなくなってしまい、その時点で我々バイプレイヤーズの旅は終了したと思っていた」と当時の思いを吐露。しかし、スタッフ・キャストの熱意もあって、ドラマは無事に放送終了。本作の出演に関しては、「ネクストバイプレイヤーズにバトンを渡す役割だったら(出演を継続することが)可能ではないか……ということで、元祖として参加させてもらいました」と説明した。そして、「今ここに漣さんがいないのが残念でならないのですが、漣さんと共に大きくて広い場所に着けたな……という思いでいっぱいです」と感無量の面持ちを見せた。
松重は、2002年に下北沢の映画館で、“元祖バイプレイヤーズ”がセレクトした作品を上映する特集企画「6人の男たちフィルムズ」が開催されたことに触れ、「会場は満員になっても20人くらいですが、あいさつの時はすごく緊張しました。でも、われらがリーダー・大杉漣さんは会場を笑いに包んで、温かくみなさんを迎え入れたのを、つい先日のように覚えています」と回顧。光石も「僕らのリーダーの大杉さんは、(ドラマ放送)当初から『このメンバーで映画やりたいね』とおしゃっていました」と懐かしみつつ、実現したことを喜んだ。
一方、遠藤は「コロナ禍の中、ほとんど誰とも会っていないときに、急に(撮影)現場に行ってみんなと会ったんで、とにかく楽しかった! うれしかった! だから何やっていたか覚えてないんだよね」とあっけらかんと伝え、会場の笑いを誘っていた。
この日は、濱田岳、柄本時生、菜々緒、高杉真宙、芳根京子、北香那、松居大悟監督、そして映画オリジナルキャストの有村架純も来場した。本作への出演を一様に喜ぶ若手役者を背に、松重は「実名をさらしてやるフォーマットを作り上げたのは大杉漣さんですが、僕らが全面に出るのはこれが最後。次からは若い人たちが、こういうフォーマットで遊ぶ機会があれば、大杉さんの魂が延々と生き続けていく」と“バイプレイヤーズ”の存続を望むとともに、「韓国版やアメリカ版ができても面白い」と世界に広がることに期待を寄せていた。(取材:錦怜那)