津田健次郎、演技に垣根なし「極主夫道」に見るカッコよさ
元極道の専業主夫の奮闘を描くギャグ漫画「極主夫道」が、ついにNetflixでアニメ化。料理・洗濯・裁縫と、主夫業を器用にこなすコワモテ主人公・龍の声を担当するのが、声優としても絶大な人気を誇る俳優・津田健次郎だ。自ら主演・監督した実写版PVの再生数は、YouTubeで1,200万回を突破。まさに誰よりも「極主夫道」の魅力を知り尽くす津田が、本作への思いを語った。
おおのこうすけの同名漫画を原作に、バリバリのキャリウーマンとして働く妻のため、龍が主夫業にまい進するさまを描く「極主夫道」。随所に極道ワードを織り交ぜながら、真面目に家事をこなす龍の姿が、何ともシュールな笑いを生み出す。津田は「コミックスの発売記念CMで声をあてたのが最初でした。もともとこういうテイストは好きでしたし、おおの先生の笑いの感性もすごく面白いなと感じたので、最初の収録から、スっと龍役に入っていけました」と出会いを振り返る。
細やかな気配りと繊細な仕事で、完璧に主夫業をこなす龍。津田にとって、そんな彼の魅力は、極道としての過去や腕っぷしの強さだけにあるのではないという。「龍には、2つのカッコよさがあると思うんです。1つは、“不死身の龍”というだけあって、従来の漫画的な強い男としての魅力。そしてもう1つが、自らの選んだ道を極めようとする姿です」。
「どんな事であっても、そこに『〇〇道』と付いたら、それはきっと探求の道を表すものだと思います。この作品は、“極める主夫の道”と書くだけに、主夫を極める男の物語。自分でも途中で気がついたのですが、龍ってすでに料理スキルが高いのに、料理教室に通っているんですよね。探求心を持ってトレーニングを続けているのだと思います。そういうところに、彼のカッコよさがあるなと思います。何かの道を極めようとする気持ちは僕もわかりますし、そこはリンクする部分ですね」
その言葉の通り、役者としての道を極めようと歩み続ける津田。声優として絶大な人気を誇る一方で、演技の仕事に垣根はないという。「常に面白く、興味深い演技表現ができればいいなと思っているので。あんまり意識はしていないですね。舞台で例えるなら、小さな劇場と大きな劇場では表現が変わってきますが、僕としては、声の演技もそういう感覚に近いもの。アニメというジャンルのなかでも、フィクション性の強い作品であればそちらに寄っていくし、より生っぽい演技が求められるようであればそうする。そういうものがしっかりと、ジャンルごとに出ればいいと思っています。『極主夫道』も、龍を演じるときの感覚は、実写版PVもアニメもほぼ一緒です。スーツとサングラスを着けていなくて、顔の傷がないだけ(笑)。アフレコも、実写版PVの時と同じテンションでやっていましたね」
また、田中敦子や大塚芳忠など、豪華声優陣との演技合戦も本作の魅力。「かっこいい女性代表のような敦子さんが、かっこいい女性を真面目に演じるほど笑えるという(笑)。本当に最高でしたね」という津田は「アフレコの現場では今、コロナ禍で3人以上の同時収録ができないような状況が多く生まれているのですが、この作品は、同じフロア内に複数のスタジオがある場所でやらせていただけました。僕が小さめのブースに入って、別の広いブースに入っている方と、同時に収録することができたんです。普通、掛け合いの場面では、音声がかぶってしまうので別録りをするんですけど、この方法だと(収録した)音声が被らないので、掛け合いを100パーセント同時に録ることができました。この作品は得にノリが大事。僕らの掛け合いもどんどん被って行くんです。そのノリの良さが、ちゃんと完成した作品にあふれているのは、幸運だったなって思います」と自信をのぞかせた。(編集部・入倉功一)
Netflixオリジナルアニメシリーズ「極主夫道」は全世界独占配信中