ウィル・スミス主演作、新投票法に抗議でジョージア州の撮影撤退
アップルが手掛ける映画『エマンシペーション(原題) / Emancipation』が、ジョージア州で物議を醸している新しい投票法を理由に、同州での撮影を取りやめたことが、主演のウィル・スミスとアントワーン・フークア監督の共同声明文で発表された。
同声明文では、「現時点で、国家(アメリカ)は過去の歴史を受け入れ、真の人種的な正義を達成するために、制度的人種差別の痕跡を排除しようとしている。我々は、有権者のアクセスを制限するように作られた後退した投票法を制定する政府に、経済的な支援を提供することはできない」とコメントしている。
今年の3月にジョージア州のブライアン・ケンプ知事によって署名された新投票法は、不在者投票を求める際に州が発行した身分証明書の提示を有権者に義務付け、投票箱の設置も制限。選挙活動家は、特に黒人有権者の権利を奪う恐れがあると指摘しており、州内に本社を置くコカ・コーラやデルタ航空も同法を批判。さらにMLB(メジャーリーグベースボール)は、ジョージア州で開催予定だったオールスターゲームを別の州で行うことを決定した。本作が、新投票法が制定されてから、撮影を取りやめた初の大作となった。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)