アンソニー・ホプキンス83歳、英国アカデミー賞欠席の理由は「絵を描いていたから」
第74回英国アカデミー賞(BAFTA)で、史上最高齢となる83歳で主演男優賞を受賞した映画『ファーザー』のアンソニー・ホプキンス。彼は授賞式を欠席したのだが、その時何をしていたのかというと、絵を描いていたのだという。
現地時間11日に開催されたBAFTA授賞式は、コロナ禍のため候補者たちはバーチャルでの参加となったが、アンソニーは欠席。監督のフロリアン・ゼレールが、彼から預かったメッセージを代読していた。しかし、授賞式後の受賞者インタビューには、アンソニーも急きょリモートで参加することになった。
アンソニーは「ただただびっくり仰天している。実際、ここに座って絵を描いているところだったんだ。ホテルの部屋でね。だから、手が絵の具だらけなのさ。そうしたら隣の部屋から歓声が上がって、『サッカーの試合でも見ているのかな?』と思っていたら、フロリアン(監督)からのメールで受賞を知ったんだ」と今回の受賞は青天のへきれきだったと明かす。『羊たちの沈黙』(1991)、『日の名残り』(1993)に続き3度目の同賞受賞となったが、「素晴らしいよ。人生のこの段階で受賞するとは思っていなかったから。もうこの仕事ができないんじゃないかと思ったこともあったんだ」と打ち明けた。
『ファーザー』でアンソニーが演じたのは、認知症を患い、次第に自分自身や家族のこともわからなくなり、記憶や時間が混乱していく主人公だ。難役と思われるがアンソニーは「今回はとても簡単だった。なぜなら演技する必要はなかったから。わたしは年老いているからね」と笑わせ、今も演技への情熱を失わない理由について、「重く聞こえなければいいのだが、それが、わたしがやり方を知っている唯一のことだから。どうやって俳優になったかもわからない。そんなつもりはなかったんだ。だが、今やそれこそがわたしの血に流れているものであり、それを楽しんでいるのだと思う」と語っていた。
アンソニーは第93回米アカデミー賞主演男優賞にも史上最高齢ノミネートを果たしており、受賞に期待がかかる。(編集部・市川遥)
第93回アカデミー賞授賞式は、4月26日(月)午前8時30分よりWOWOWプライムにて生中継