ディズニー『クルエラ』舞台はなぜ70年代ロンドン?監督が背景明かす
ディズニー・アニメーション『101匹わんちゃん』に登場する悪女の誕生秘話を描く映画『クルエラ』を手がけたクレイグ・ギレスピー監督が、1970年代のロンドンで描かれるクルエラの魅力について語った。
『クルエラ』は、私利私欲のためなら手段を選ばないヴィランへと変貌していく少女・エステラ(エマ・ストーン)の姿を描く作品。デザイナーを目指していたエステラは、とある出来事がきっかけで、心の奥底に隠していた自分の声に従うようになる。
映画の舞台となる1970年代ロンドンは、反骨精神を掲げたパンク・ムーブメントや奇抜で新しいファッションの台頭など、現代にも受け継がれる文化の目覚めを象徴する時代だ。奇抜なファッションや揺るがぬ強い意志を武器にして、自分を表現するクルエラの姿は、自由と反骨精神を掲げる当時のロンドンと重なる部分がある。
クレイグ監督も「あの時代、ロンドンではパンクロックや革命が起こっていた。文化のクロスロードだったんだ」と切り出し、「キングスロードにはヴィヴィアン・ウエストウッドがいて、ストリートファッションが台頭し始めていた。そこに飛び込んでいくのは楽しいし、クルエラのキャラクターにぴったりでもある。彼女は権力に反抗していくようになっていくから、この設定はふさわしいんだよ」と70年代ロンドンがクルエラの誕生秘話を描く時代にピッタリだったと語る。
ディズニーから「エマ・ストーンがクルエラを演じて、舞台は1970年代のロンドンなんだけど」とオファーを受けたクレイグ監督は、すぐに「やります!」と引き受けたという。本作を「オリジンストーリー」と断言する監督は、「『101匹わんちゃん』にクルエラは出てくるけれども、彼女についての情報はほとんどないよね。それに原作本でも彼女はファッション業界にいてダルメシアンが好きということくらいしか書かれていない。だから自由はたっぷりあったよ」と知られざるクルエラの物語を描く本作への期待をあおった。(編集部・倉本拓弥)
映画『クルエラ』は5月27日より劇場公開、5月28日よりディズニープラスプレミアアクセス公開 ※プレミアアクセスは追加支払いが必要