「テセウスの船」名子役・柴崎楓雅、新作映画で「怖かった」と尾野真千子絶賛
ドラマ「テセウスの船」「岸辺露伴は動かない」などで注目を浴びた名子役の柴崎楓雅が5日、都内で行われた映画『明日の食卓』(5月28日公開)の完成報告会に出席。同作で二面性のあるキャラクターを演じた柴崎について、母親役の尾野真千子は「怖かった」と、その並外れた演技力を称賛した。この日は、主演の菅野美穂、共演の高畑充希、外川燎、阿久津慶人、瀬々敬久監督も来場した。
柴崎は、竹内涼真主演の日曜劇場「テセウスの船」(2020・TBS系)のみきお役で脚光を浴び、人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」に登場するキャラクター・岸辺露伴を主人公にした高橋一生主演のNHKドラマ「岸辺露伴は動かない」(2020)では、富豪村の案内人で眉なし&おかっぱ頭の一究役で存在感を発揮。椰月美智子の小説に基づく新作映画『明日の食卓』では、静岡でサラリーマンの夫・太一(大東駿介)と何不自由なく暮らす専業主婦の石橋あすみ(尾野)の10歳の息子・優にふんしている。登壇した柴崎は、「初めての舞台あいさつなので緊張していますが、よろしくお願いします」と初々しくあいさつ。
一方、撮影については「僕が演じた優くんは二面性があって、毎日難しいシーンの連続でした」と説明しつつ、初めて尾野と大東に会ったとき、撮影の合間に遊んでくれたことを挙げ、「うれしくて大好きになり、撮影も毎日楽しくて、最後まで乗り切ることができたと思います」と饒舌にコメント。そんな柴崎を見つめる尾野は、「100点やね。子供なのに大人以上の大人なんです。普段もこの子からしゃべりかけてくれたり、お芝居でも、どこからそのパワーが出てくるんだろう……みたいな。見習わないといけない感じがしました」と称えた。
また、予告編でも観られる「僕はいい子じゃない。お母さんもいいお母さんじゃない」というせりふについて、「実は台本にはなくて、段取りの時に監督が付け加えた」と明かし、「緊張感のある撮影の中で、尾野さんが『わたしについてきて!』と言ってくださったので、すごく心強かったし、自然にお芝居ができたと思います」と振り返る柴崎。尾野は、そのコメント力を「120点」に上げると、「(劇中での)変化がすごいんですよ」と演技力にも舌を巻いた。一方、「こんな小さな体で、どんどん変わっていく柴崎くんを見て、怖かったよ」と恐怖を覚えたことも明かすと、柴崎は「すいません」と謝罪。大人びた対応で会場を沸かせていた。
本作は、「イシバシユウ」という同じ名前、同い年の息子を育てる3人の母親の日常が、ささいなきっかけによって崩壊していく物語。本作が約10年ぶりの映画単独主演となる菅野をはじめ、高畑、尾野が三者三様の母親を熱演している。(錦怜那)