『タイタニック』ディカプリオ&ケイト、20年来の友情を振り返り
本日(14日)、日本テレビ系「金曜ロードショー」(夜9時~10時54分)で放送される大ヒット作『タイタニック』(1997)後編。本作をきっかけに固い絆で結ばれ“親友”となったレオナルド・ディカプリオ&ケイト・ウィンスレットの交流を振り返る。
視聴者によるリクエスト企画の第4弾として放送される本作は、『エイリアン』『ターミネーター』シリーズなどのジェームズ・キャメロン監督が、20世紀最大の海難事故と言われたタイタニック号沈没事故の史実をもとに描いたラブストーリー。画家志望の主人公ジャック(ディカプリオ)と、彼と船上で出会う上流階級のローズ(ケイト)の身分差を超えた恋を描き、空前のヒットを記録。“運命の恋人たち”として語り継がれ、ジャックとローズが船の舳先で両腕を広げるシーンは伝説に。クリスマスが題材のヒット作『ラブ・アクチュアリー』(2003)では、リーアム・ニーソン&トーマス・ブロディ=サングスター(ドラマ『クイーンズ・ギャンビット』も話題沸騰)親子が、ジャック&ローズをまねるシーンもあった。
ケイトは『タイタニック』でレオと共演した際、「7か月にも及ぶかなり強烈な撮影だったわ。私たちはとても若かったし。でもラッキーなことに、幸運なことだったと思っているけど、決してお互いに惹かれ合うことはなかった」とイギリスのテレビ番組「Lorraine」で語り、決して恋愛関係にはならなかったというが、だからこそ20年来の友情を育めたのかもしれない。2人が11年後に共演したのが『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』(2008)。企画の始まりはケイトがリチャード・イェーツの小説「家族の終わりに」にほれ込み、映画化に乗り出したこと。当時の夫サム・メンデスを説得してメガホンを握らせ、レオのキャスティングもケイトの希望によるもの。「ディカプリオのスケジュールをおさえるのに2年かかった」とケイトはDVDの特典映像に収録されたインタビューで語っており、「彼はしつこく要求したり何かを強要すると完全に拒絶して二度と受け入れてくれない。だから伝え方とタイミングを慎重に選んだの」と説得にかなり戦略を練ったようだ。
『レボリューショナリー・ロード』は、『タイタニック』の対極にあると言っても過言ではないほどロマンチシズムを排除した、超シビアな夫婦のストーリー。1955年の富裕層が集まるアメリカ郊外を舞台に、結婚7年目のフランク(レオ)とエイプリル(ケイト)が今より幸せな人生を夢見る中ですれ違っていくさまを描く。レオは「理想の生活を追い求め続ける夫婦の苦悩」、ケイトは「結婚の複雑さを描いている」と話しており、愛情が憎しみへと変わっていく過程は壮絶。とりわけ、クライマックスの夫婦喧嘩の生々しさはトラウマになりそうなほど。レオは「キャラクターの異様なほどのリアリティー」に惹かれたという。『タイタニック』に続いて同作でも二人そろってゴールデン・グローブ主演賞(ドラマ部門)にノミネートされた。なお、くしくも『タイタニック』でタイタニック号の一等船客モリーにふんしたキャシー・ベイツも、重要な役どころで出演している。
2010年には、ケイトがサム・メンデス監督と離婚に向けての話し合いで心の支えにしたのがレオだったこと、ケイトの子供たちもレオになついていることなどをザ・サン紙が報道。2人の友情は長らく続き、2016年には再びその絆を証明することとなった。
『レボリューショナリー・ロード』ではケイトだけが女優賞を受賞し、2008年度第81回アカデミー賞で主演女優賞を受賞(『愛を読むひと』)。レオがそれから7年後の2015年度第88回で悲願の主演男優賞(『レヴェナント:蘇えりし者』)を受賞。この快挙に、1分間で44万件ものツイートがTwitter上に投稿されたと米Twitter社が発表した。ステージ上でケイトと抱き合う姿は世界中を熱狂させ、この年のアカデミー賞を大いに盛り上げた。(編集部・石井百合子)