高畑充希「寝落ちが至福」閉館するアップリンク渋谷に寂しさ
女優の高畑充希が18日、都内で行われた映画『浜の朝日の嘘つきどもと』(9月10日公開)の完成報告イベントに登壇。映画館再建に奮闘する主人公・茂木莉子/浜野あさひを演じた高畑は、ミニシアター「アップリンク渋谷」が5月20日をもって閉館することへの寂しさや、思い出を語った。この日は、共演の大久保佳代子、タナダユキ監督も来場した。
本作は、福島県南相馬市に実在する映画館「朝日座」を舞台に繰り広げられる人間模様を描いたドラマ。東京の映画配給会社に勤めていた福島県出身26歳の茂木莉子(本名:浜野あさひ)が、恩師との約束である朝日座の再建のため、小さな嘘をついてでも映画館を守ろうと奮闘するストーリー。大久保は恩師・田中茉莉子役を務め、『百万円と苦虫女』『ロマンスドール』などのタナダ監督がオリジナル脚本でメガホンを取った。
高畑は「タナダさんの作品が大好きで、お会いしてみたい方だったので、呼んでいただけて『ヤッタ!』と思いました」と笑顔。また、コロナ禍による昨年のステイホーム後の最初の仕事だったそうで、「自分の中で考えが変わった時期」と振り返りつつ、「明日どうなるかわからないから、今近くにいる人に愛情を注いだり、伝えたりしたいと思っていたので、そのときの自分の肌にピタッとくっつくような台本だったと思います」としみじみと語った。
タナダ監督は「この企画をやるとなったときに、高畑さんがいいなとずっと言っていました」と話すと、恩師役も「誰と組んだら新たな高畑さんが見れたり、お互いの化学反応が起きるのか」を考えて大久保を起用したことを明かした。
大久保は「セリフがめっちゃ多いというプレッシャー」があったそうで、劇中、映写機の説明をしているときに実写からイラストに変わるシーンにおいて、全てのセリフを覚える必要があるのか迷ったことを告白。そのときの様子はとても印象的だったようで、高畑は「(撮影期間の)序盤で、どこまで覚えて、どこまでだったら覚えなくていいのかな? とこっそり聞かれて」と暴露すると、自身も「最悪、(目の前に台本を)置いて読んじゃえば……みたいなことを言った」とぶっちゃけ。大久保は「すっごいいいアドバイス。カンニングしろと言われました」と笑っていたが、実際は全てのセリフを覚え、タナダ監督から「完璧でした」と褒められていた。
作品にちなみ、映画館での思い出について質問が飛ぶと、新型コロナウイルスによる打撃を受けて経営が立ち行かなくなり、今月20日をもって閉館するアップリンク渋谷が「好き」と明かす高畑。「もちろんちゃんと観るときもあるんですけど、ソファになっているから、淡々とした映画を観ながら途中で寝落ちする時間が至福だったので、無くなるのがかなり寂しい」としんみりと話していた。(取材:錦怜那)