マーベル・スタジオ社長『ドクター・ストレンジ 』エンシェント・ワンの白人起用を後悔
マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギが、映画『ドクター・ストレンジ 』(2017)で、ティルダ・スウィントンが演じたエンシェント・ワンについて、オリジナルの設定に基づき、アジア系俳優をキャスティングすることもできただろうと、男性雑誌 Men's Health に語った。
ドクター・ストレンジの師匠となるエンシェント・ワンは、原作では500歳を越えるチベットに住む老人であり、当時は“白人化”(ホワイトウォッシュ)ではないかという批判も起きた。Men's Health 誌の公式サイトによると、ファイギは、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)初のアジア系スーパーヒーロー、シャン・チーを演じるシム・リウの特集内で、当時の決断を振り返り、「わたしたちは、とてもスマートで最先端を行っていると考えていました」と告白。エンシェント・ワンを賢いアジア系の老人という、ステレオタイプとして描くつもりはなかったが、そうしたお決まりのパターンにはまることなく、アジア系の俳優を起用することもできただろうと明かしている。
キャスティングが物議を醸した当時、マーベル・スタジオはMashable等に寄せた声明で、“エンシェント・ワン”は時を越えて受け継がれる称号であり、特定のキャラクターが持つ名ではないと発信。また、監督のスコット・デリクソンは、Varietyに対して、この役を中年のアジア系女性に演じてもらうことも想像したが、そのキャラクターが、支配的でパワフルなアジア系女性や女優に対するステレオタイプ、”ドラゴン・レディ”に感じられたことを明かしている。
シャン・チーが登場する『シャン・チー/テン・リングスの伝説』には、シャン・チーの父親役で名優トニー・レオンが出演。『フェアウェル』のオークワフィナ、『クレイジー・リッチ!』のミシェル・ヨーら実力派のアジア系キャストが脇を固める。監督は『黒い司法 0%からの奇跡』などのデスティン・ダニエル・クレットン。(編集部・入倉功一)