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永山瑛太が『HOKUSAI』で見せる破滅的な美 撮影初日に監督を魅了

映画『HOKUSAI』より永山瑛太演じる戯作者・柳亭種彦
映画『HOKUSAI』より永山瑛太演じる戯作者・柳亭種彦 - (C)2020 HOKUSAI MOVIE

 ドラマ「リコカツ」でのきまじめで男気のある自衛官役も話題の永山瑛太が、公開中の映画『HOKUSAI』では葛飾北斎の盟友となる戯作者・柳亭種彦にふんし、破滅的な美を体現している。本作での永山の魅力を、橋本一監督のコメントを交えて振り返ってみた。

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 本作は、江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の生涯を、柳楽優弥田中泯のダブル主演で描くストーリー。北斎の青年期を柳楽、老年期を田中が演じるほか、北斎のライバルとなる絵師・喜多川歌麿に玉木宏、東洲斎写楽に浦上晟周、彼らをプロデュースする稀代の版元・蔦屋重三郎に阿部寛。蔦屋の計らいで青年期の北斎が歌麿、写楽と一堂に会すシーンも見せ場の一つだ。

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 永山と言えば、今年1月に放送されたNHKドラマ「ライジング若冲 天才 かく覚醒せり」では江戸時代の天才絵師・伊藤若冲の終生の理解者であり支援者となった僧侶・大典顕常を好演。若冲役の中村七之助との息の合った共演で魅せていた。

 『HOKUSAI』で演じた柳亭種彦は、北斎に表現者として多大な影響をもたらした人物。武士の家系でありながら類まれな文才を備え、妖怪モノの戯作で北斎を魅了し、創作意欲を掻き立てた。しかし、表現の自由が規制された江戸時代において、芸術を取り締まる立場にあった種彦は身分を伏せて筆を取っていた。

 種彦のシーン初日に撮影されたのは、彼が花を手にさげながら北斎の工房へ向かってくるシーン。橋本監督は、この姿を観た瞬間「一目ぼれ」だったと評し、永山が適役であったことを確信した。

田中泯演じる老年期の北斎と

 表現の規制との戦いが後半の軸になるが、種彦はそれを象徴する人物と言ってもいいかもしれない。「筆を取るか、折るか」苦悩し続けた人生。そんな愁いをたたえた種彦について、橋本監督は「侍、という身分に縛られない自由を求める男。されど、侍であるが故に破滅へ向かう男」と表現。演出のポイントになったのは「穏やかに生き、優しさを前面に出しつつも、芯の強さを表現する」ことだったという。

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 種彦は読本「偐紫田舎源氏」を上梓。若者の間で人気を集めるが、それは市井の風紀を乱すものとして幕府から厳しい処分を受ける行為であり、種彦は生死をかけての決断を迫られることになる。橋本監督は印象的なシーンとして「全身血まみれになる場面」を挙げ、「黙々と自ら血糊を足し、張り詰めた糸を一瞬たりとも切ることのない姿。プロでした」と振り返る。

 本作を通じての永山の魅力について、橋本監督は「とてもではないですが、少々の、生半可な文章では、その魅力を伝えきれません。あえて言うなら、奥底にある『男』の真の強さ。それを自然な形で表現できる人間である……でしょうか」と惜しみない賛辞を送っている。(編集部・石井百合子)

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