『るろうに剣心』青木崇高の左之助が愛される理由とは?
佐藤健主演の大ヒット映画『るろうに剣心』シリーズで、第1作から約10年にわたって相楽左之助役を務めてきた青木崇高。メガホンをとった大友啓史監督が、青木ふんする左之助が愛される理由について語った。
大友監督いわく「ムネくん(青木)は、すべてにおいて全力で取り組んでくれる熱量の人」だそう。「心の奥底から演じる芝居は常に嘘がない。時に不器用に映る一途さも、彼ならではの一流の武器だと思います」と青木の魅力に触れる。
青木演じる左之助は驚異的な腕力の持ち主。直情的ですぐに熱くなる喧嘩屋で、神谷道場メンバーの兄貴分的なキャラクターだが、大友監督は実際の青木からそんな左之助の豪快さとは正反対の繊細さを感じたという。
「三船敏郎さんは豪快に見えて、とても繊細な人だったそうですが、彼もそうだと思います。喧嘩屋を演じているけれど、実生活では、たぶん殴り合いのケンカなんかしたことがない(笑)。だから、彼がどんなに左之助を荒っぽく演じても、どこかに繊細さが残る。そこが多くの人に、彼が演じる左之助が愛された理由です。俳優であると同時に、スタッフの苦労も分かち合える“仲間”でもあります」
そんな左之助の最新作『るろうに剣心 最終章 The Final』(公開中)での活躍について、「今回も見事なやられっぷりが見せどころですね」という大友監督。「剣心のバディ、そして喧嘩屋としてのキャラクターを貫き通し、危険なカットも体当たりで臨んでくれました。彼は一作目から現場のキーマンです。今作でも、健くんがすべてのシーンを撮り終わった時、号泣していた。『健がこの映画に何を懸けてきたのか、 同じ役者として考えると堪らないものがある』と言ってね」と左之助のように人情味にあふれる青木の撮影裏話を明かす。
さらに、大友監督は「役柄や現場をはじめ、いろいろなことに同化して吸収し、すべてを血肉にしていく感性の持ち主です。彼が現場にいてくれることで助けられることが多い。『るろ剣』シリーズが体現している熱量を伝播させていく俳優として、とても信頼しています」と青木への絶大な信頼を見せた。
『るろうに剣心 最終章 The Final』は、和月伸宏の人気漫画を実写映画化したシリーズ最終章2部作の第1弾。剣心(佐藤)が、十字傷の謎を知る最恐の敵・雪代縁(新田真剣佑)と死闘を繰り広げる物語となっている。それに続く最終章2部作の第2弾『るろうに剣心 最終章 The Beginning』(公開中)では、剣心の過去、そして頬に刻まれた十字傷にまつわる物語が展開する。(編集部・吉田唯)