『るろ剣』蒼井優のシーンを引き締める存在感と芝居!大友啓史監督が語る
佐藤健主演の大ヒット映画『るろうに剣心』シリーズで、第1作から長年にわたって高荷恵を演じた蒼井優。大友啓史監督は「映画のクオリティーを保証してくれるものすごい女優」と蒼井の素晴らしさを語る。
『るろうに剣心』シリーズは週刊少年ジャンプで連載された和月伸宏の大人気漫画を実写化するビッグプロジェクトとあって、キャストには佐藤や武井咲、青木崇高、江口洋介といった豪華な面々が名を連ねているが、大友監督から見た蒼井は「毎回シーンを引き締め、底上げしてくれる」ほどの存在感と芝居力を兼ね備えた女優だという。
蒼井ふんする恵は、代々医者の名家に生まれた女医。戦争で家族全員を亡くして天涯孤独の身になり、生きるために仕方なく悪事に手を染めてしまうが、そんなところを剣心に救われた。幕末の時代に“人斬り抜刀斎”として恐れられた剣心と同じく、暗い道を歩んだ過去を持つキャラクターだ。
そんな恵を演じた蒼井について、「登場人物たちの中で、剣心の業を唯一理解できる高荷恵を、しっかり地に足のついたキャラクターにしてくれました」と大友監督は振り返る。撮影現場では毎回シーンを引き締める存在感を放っているそうで、「今回もそうでしたね。薫の背中をふっと押してあげる、それを絶妙な塩梅で表現してくれた」と絶賛の言葉を惜しまない。
恵が神谷道場の仲間となったシリーズ第1作から約10年、最新作『るろうに剣心 最終章 The Final』(公開中)では剣心の過去を知って動揺する薫を恵が勇気づける場面も。さまざまな出来事を経験した二人の絆が感じられるシーンとなっている。
「医者の家の出で、観柳の愛人として囲われ、神谷道場の仲間たちと出会い、安息の地を得た。1作目の時から、『私は“業”担当ですから』って言っていたけど(笑)、それゆえ剣心の十字傷の事情を聞いた薫の衝撃も理解し、さりげなく手を差し伸べることができる。告白した剣心に対しても、1作目の『あんた人斬りだったんでしょ』から始まり、痛みを共有している。キーとなるシーンを、深い愛情と優しさを込めて演じてくれたと思います。本質的というのかな、そこを見据えて、いつも演じてくれている気がします」(大友監督)
最終章2部作の第1弾『るろうに剣心 最終章 The Final』は、剣心の十字傷の謎を知る最恐の敵・雪代縁(新田真剣佑)と剣心が死闘を繰り広げる物語。それに続く第2弾『るろうに剣心 最終章 The Beginning』(公開中)では剣心の過去が描かれる。(編集部・吉田唯)