金ロー『ザ・ファブル』悪役キャストは?
今夜(18日)夜9時より日本テレビ系「金曜ロードショー」で地上波初放送される岡田准一主演の映画『ザ・ファブル』(2019)。放送を前に、岡田演じる伝説の殺し屋“ファブル”らを追い詰める悪役たちに、あらためて注目してみた。
本作は南勝久の人気漫画に基づき、裏社会で“ファブル(寓話)”として恐れられる謎の殺し屋(岡田准一)を主人公にしたアクション。ボス(佐藤浩市)から「一年間、一般人として普通に暮らせ。休業中に誰かを殺したら、俺がお前を殺す」との指令が下されたファブルが、佐藤アキラという偽名を使い、相棒のヨウコ(木村文乃)と兄妹のフリをして一般人として生活するさまを描く。ファブルはインコを飼ったりアルバイトをしたり、一般人になるべく奮闘するものの、彼の前に裏社会の組織や助けを求める者たちが次々に現れ、事態は思わぬ方向へ向かっていく。脚本は『20世紀少年』『GANTZ』シリーズなどの渡辺雄介。CMディレクター出身の江口カンがメガホンを取った。
本作でヒールとして強烈なインパクトを放ったのが福士蒼汰と向井理。いずれもクレイジーなキャラには違いないが、タイプは真逆。福士は、ファブルの世話人を請け負う真黒カンパニーのもとで働く殺し屋フードに。クールで何を考えているのかわからない不気味さをたたえているが、「ファブル」の名を聞くと過剰な反応を示し、嬉々としてファブルを追いかけていく。『無限の住人』(2017)の悪役も話題を呼んだ福士が、肉弾戦や二丁拳銃による銃撃戦などを披露。岡田とは『図書館戦争』『図書館戦争 THE LAST MISSION』で共演しており、映画のPRイベントでは「岡田さんと共演したときは、岡田さんが教官で、僕が部下だったので仲間だったんです。でも、また共演するときは『戦いたいな』と思ったんです。そうしたら岡田さんが主役で、岡田さんとバトルをするという役のオファーが来て『ついに僕の夢が叶ったぞ!』と即決でした」と念願かなっての再共演だったことを語っていた。
一方、現在放送中のドラマ「着飾る恋には理由があって」(TBS系)でヒロインを密かに思い、さりげなく助けになるオトナな男性像が話題沸騰の向井は、真黒カンパニーで社長・海老原(安田顕)と敵対する派閥を率いる専務・砂川に。「死ねボケ」など関西弁をまくしたて、左目の大きな傷と歪んだ笑みが特徴。福士演じる殺し屋フードの雇い主でもあり、虎視眈々と会社乗っ取りを企んでいる。悪役の向井といえば2018年放送のドラマ「きみが心に棲みついた」では裏の顔を持つエリートに。ヒロインを陰湿な手段で追い詰めていくドSキャラで人気を博していた。
第1作は興行収入17.7億円の大ヒットを記録しているが、その続編『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』が本日より公開。本作でファブルが対峙するのは、裏の顔を持つNPO団体の代表・宇津帆。演じる堤真一は、大河ドラマ「青天を衝け」では徳川慶喜(草なぎ剛)の家臣・平岡円四郎にふんし、その人当たりのいいキャラクターが大人気となり、退場した際には「円四郎ロス」が巻き起こったほど。初参加となる『ザ・ファブル』では打って変わって極悪人に。堤は宇津帆というキャラクターを、「表と裏の顔を持つ二面性のある悪党ですが、どちらも本当の顔だというスタンスで演じました。NPO団体の代表という表の顔、恐喝した相手を殺してしまうような裏の顔も、彼なりの正当性をもって本気でやっている。他人の家を盗撮するような人間からお金を奪い取るのは、なんら心が痛まないし、彼にとっての正義なんだと。むしろあなたのためを思って救っているんだというスタンスで演じなければ、単なる薄っぺらい悪党になってしまうと思いました」とシネマトゥデイのインタビューで紹介していた。(編集部・石井百合子)