『ワイルド・スピード』第9弾、ヴィン・ディーゼルの息子出演は監督の提案だった
映画『ワイルド・スピード』シリーズで主演を務めるヴィン・ディーゼルがリモートインタビューに応じ、シリーズ第9弾『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(全国公開中)で実現した息子ヴィンセント・シンクレアくんとの親子共演について語った。
最新作で描かれるのは、主人公ドミニク(ヴィン)とその弟ジェイコブ(ジョン・シナ)の確執とトレット家の歴史。これまで明かされてこなかったドムの過去を掘り下げるうえで重要になったのが、幼少期ドムの存在だ。そこで、若かりし頃の彼を演じる人物として白羽の矢が立ったのが息子ヴィンセントくん。ヴィンは「まず言いたいのは、ヴィンセントの出演は俺の勧めではなく、監督のアイデアなんだ」とメガホンを取ったジャスティン・リン監督の熱い要望で息子の出演が決まったと明かす。
ヴィンセントくんは、本作がスクリーンデビュー作となった。長丁場の撮影はもちろん初体験で、「息子にとって12時間近くかかった撮影は全く想像がつかなかったと思う」とヴィン。撮影現場では普段のような父親の顔は見せず、終始役者モードに切り替えていたという。「息子とのシーンを撮影している間、俺は過去と向き合っているドムを演じていて、息子からすると、撮影現場には父親ではなくドミニクが存在していることになるんだ。俺もキャラクターから父親に切り替えて、その関係を崩すことはできなかった。ドミニクとって非常に重要なシーンだったからね」
ファミリーを共通のテーマとして掲げる作品で、ヴィンセントくんとの共演が叶ったヴィン。該当シーンを撮り終えた日のヴィンセントくんの表情は、今も忘れられないようだ。「帰宅した時の息子の表情は今でも忘れられないよ。ドミニクではなく父親の俺に会うことができたから、息子の目は輝いていたよ。とても些細なことだが、すごくパワフルで喜ばしいことだよ」
『ワイルド・スピード』シリーズは今年で20周年を迎えた。「20年もドミニクを演じ続けることができるなんて、考えもしなかったよ」と感慨深げに話したヴィンは、「1作目が公開された当時のドムなら、20年も演じるのは不可能だと言うだろうね。世界中のコミュニティーが『ワイルド・スピード』サーガを受け入れてくれるなんて、俺自身も予想していなかった。作品を楽しんでくれるだけで嬉しいし、シリーズを続けている理由はファンのみんなを楽しませたいからなんだ」と代表作への思いを明かす。最新作はコロナ禍での公開となり、これまでのようなワールドツアー開催は叶わなかったが、ヴィンは「『ワイルド・スピード』第10弾が完成した暁には、東京に行ってプレミアを開きたいね!」と次回作での来日を熱望していた。(編集部・倉本拓弥)