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『ザ・スーサイド・スクワッド』CGの血しぶきは断固拒否!ジェームズ・ガンのこだわり

ぶっ飛んだ映画こそリアルが大事! 『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』
ぶっ飛んだ映画こそリアルが大事! 『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』 - (c)2021 WBEI TM&(c)DC

 スーパーヒーローを苦しめた悪役たちが、減刑をかけた命がけのミッションに挑む映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』のジェームズ・ガン監督が、ド派手なアクションシーンを満載した本作において、極力CGに頼らず、本物のセットや爆発にこだわった理由を明かした。

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 独裁政権が支配するコルト・マルテーゼ島に送り込まれた犯罪者たちが、使い捨てミッションからの生き残りをかけて戦う本作。チームのメンバーは、カラフルで個性的なコスチュームに身を包んだ悪役ばかりだが、戦闘シーンの描写は徹底してリアル。『プライベート・ライアン』も顔負けな、血しぶき飛び散る戦いが描かれる。

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 本作では、実際のセットで撮影することにこだわったというガン監督。「劇中のビーチでの戦闘シーンなんかは、ジョージア州アトランタのスタジオ敷地内に屋外セットを作った。サッカー場が6つは余裕で入るほどの規模で、砂浜から打ち寄せる波まで、本物さながらの浜辺を一から作ったんだ」と明かす。

 「ワーナー・ブラザースは、僕を信じて巨額の製作費を投じてくれた。その大半はセットの建造費に注ぎ込んだよ。結果として、ワーナー映画史上最も巨大で、最も予算をかけたセットになったと聞いているけど、1ドルたりとも無駄遣いはしないように、撮影前からかなり緻密な計画をたてた。可能な限り実際のセットで撮って、爆破シーンをはじめとした特殊効果もできるだけ現場でやりたいと思っていたんだ。こうしたクレイジーでぶっ飛んだテイストの映画ほど、少しでもリアルな要素がなければ成立しないからね」

 さらにガン監督は、セットでの撮影は、俳優のパフォーマンスにも影響すると熱弁する。「俳優たちにとっても非常に大きなアドバンテージになるんだ。本物の爆薬を使っているおかげで、爆破シーンでは真実味も危機感も半端ないと思うし、そうした緊張感は演技にも自ずと反映されるから、とても効果的だと思う」

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 もちろん、宇宙が舞台のマーベル映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』をはじめ、これまで最新技術の恩恵を受けてきたガン監督だけに、CGを嫌っているわけではない。「CGだって、使い方次第ではとても便利なものだ。今回の映画にしたって、キング・シャークやウィーゼルみたいなキャラクターは、CGを使わなきゃ登場させるのは不可能に近かっただろう」

 「ただ、CGだとどうしてもウソっぽく見えてしまうモノもある。爆破シーンや、血しぶきの効果なんかがそうだ。理由はわからないけど、どうしても上手く描写できないんだよね。最近のアクション映画は、撃たれるシーンでいかにもウソくさい見た目の(CGの)血しぶきがブシュっと飛ぶけど、僕はそれがたまらなく嫌なんだ(笑)。だから今作では、ちゃんと血糊が入った小袋を役者に仕掛ける、昔ながらの弾着を使うことに徹底してこだわったよ」

 そこにはもちろん、アナログならではの苦労も。「ワンテイクで決まればいいんだけど、大抵そうは上手くはいかない。撃たれて血が飛び散るシーンを撮り直すとなると、いちいち顔や体についた血を落として、衣装を着替えてからまた弾着を仕込んで……っていう工程を何度もやらなきゃいけないんだ。大変なのはハナから承知だったけど、そこだけはどうしても譲れなかったんだよね」

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 それだけに、登場キャラの死に様もリアルで壮絶だ。「どのキャラの死にっぷりも、よくある『映画史上最もショッキングな死にざまトップ10』なんてリストにランクインしそうなものばかり」と笑うガン監督だが、「大枠を決めたらあとは想像に身を委ねて、ストーリーそのものに導いてもらう」という脚本作業の過程では「死んでほしくないキャラクターが死んじゃって、悲しみに暮れたりすることもあったよ」と証言。誰が生き残るのか最後までわからない、予期しない展開も見どころだ。(編集部・入倉功一)

映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』は全国公開中

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