『ザ・スーサイド・スクワッド』絶賛評集まるも興収で苦戦…一体なぜ
全米ボックスオフィス考
先週末(8月6日~8月8日)の全米ボックスオフィスランキングが発表され、ジェームズ・ガン監督のDC映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』が興行収入2,625万ドル(約29億円)で首位デビューを果たした。(数字は Box Office Mojo調べ、1ドル110円計算)
人気のアメコミ原作映画で、批評家及び観客から絶賛レビューが集まるなどヒットの下地は整っていると思われていたが、米ワーナー・ブラザースが予想した興収3,000万ドル(約33億円)にも届かないという結果に。Varietyによると同作の製作費は1億8,500万ドル(約204億円)で、さらには宣伝に少なくとも1億ドル(約110億円)がかけられたといい、首位デビューは飾れたが苦いスタートとなってしまった。
苦戦の理由としては、アメリカでの新型コロナウイルスデルタ株による感染者急増により映画館へ行くことを控える傾向が再び強まってきたことに加え、DC映画ファン以外の一般的な観客には2016年公開の『スーサイド・スクワッド』との違いが不明瞭だったのでは? といったことが挙げられている。
同作は他のワーナー作品と同様に、劇場公開と同時にワーナーの動画配信サービス「HBO Max」でも配信されており、The Hollywood Reporter によると、公開週での鑑賞者数は『モータルコンバット』に次いで第2位の記録を打ち立てたとのこと。ただし、ワーナーはディズニーとは違って劇場公開する新作映画を追加料金なしで配信しており(※公開から1か月限定)、新規登録者の数など「HBO Max」にどの程度の利益があったのかは明らかにされていない。
ちなみに、デヴィッド・エアー監督の『スーサイド・スクワッド』(2016)は批評家から酷評されたものの、オープニング興収は1億3,368万2,248ドル(約147億円)、最終的な世界興収は7億4,684万6,894ドル(約822億円)を上げる大ヒットを記録していた。
前回首位デビューを果たしたディズニー映画『ジャングル・クルーズ』は、前週比54.8%ダウンの興収1,581万8,590ドル(約17億円)で2位だった。(編集部・市川遥)
8月6日~8月8日の全米ボックスオフィスランキングは以下の通り。()は先週の順位。
1(初)『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』
2(1)『ジャングル・クルーズ』
3(6)『スペース・プレイヤーズ』
4(2)『オールド』
5(4)『ブラック・ウィドウ』
6(5)『スティルウォーター(原題) / Stillwater』
7(3)『ザ・グリーン・ナイト(原題) / The Green Knight』
8(7)『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』
9(9)『エスケープ・ルーム:トーナメント・オブ・チャンピオンズ(原題)/ Escape Room: Tournament of Champions』
10(8)『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』