モスクワ攻防戦の知られざる実話…若き士官候補生たち描くロシア発の戦争大作が公開
ロシア映画『THE LAST FRONTIER(英題)』の邦題が『1941 モスクワ攻防戦80年目の真実』に決定し、11月19日より劇場公開されることが明らかになった。
本作は、第二次世界大戦の天王山として知られるモスクワ攻防戦に参加した若き士官候補生たちの、知られざる史実にスポットライトを当てる戦争映画。1941年にヒトラーがソ連を奇襲攻撃し、ソ連軍は首都モスクワを目指すドイツ軍に総力戦で抵抗。激戦の果てモスクワの防衛に成功したが、これはナチス・ドイツが喫した初めての大きな敗北であり、第二次世界大戦そのものの流れを変える転換点となった。
1941年10月、ロシアに侵攻したドイツの大軍は、モスクワを目指し進撃を続けていた。首都が陥落すれば、ソ連の敗北とナチスの勝利が決定的になる。モスクワを死守するため、兵力不足のソ連軍は訓練中の学生兵を戦場に送ることを決断。ポドリスク兵学校士官候補生のラヴロフやディミトリ、看護師のマーシャたち3,500名が、イリンスコエ防衛ラインに向かう。任務は、増援部隊が到着するまで敵を食い止めること。だがそこは、戦場を初めて踏む若者たちにはあまりに苛酷な、地獄の最前線だった。
監督・脚本をヴァディム・シメリェフ、製作・脚本を『ブレスト要塞大攻防戦』などのイゴール・ウゴルニコフが担当している。キャストにはアレクセイ・バルドゥコフ、エフゲニー・ディアトロフ、セルゲイ・ベズルコフなど。俳優たちは士官候補生役を演じるために、軍事コンサルタントと共に陸軍基地で1週間のトレーニングを受け、バラックで生活しながら武器の訓練や行進の仕方を学んだという。
本作では、当時の戦いを正確に描くため、近年ロシア国防省が機密解除した文書・資料に基づき脚本を作成。圧巻なのは、激戦の地イリンスコエ前線のあった地に、村、道路、橋、人工の川といったレプリカが、当時の航空写真に基づいて正確に復元。ソ連・ドイツ両軍の戦車、装甲車、大砲、航空機等の兵器は、博物館に保管されている本物が使用されているという。公開された予告編では、その迫力ある戦闘シーンを垣間見ることができる。(編集部・大内啓輔)