暴力に支配された世界の少年少女たち…『MONOS 猿と呼ばれし者たち』公開日決定
50年以上続いたコロンビアの内戦を背景に描く映画『MONOS 猿と呼ばれし者たち』の劇場公開日が10月30日に決定し、あわせて予告編も公開された。
本作は、半世紀以上にわたったコロンビアの内戦を下敷きに、ある出来事をきっかけにジャングルの奥深くに身を潜めることになったゲリラ組織のメンバーたちが、次第に極限状態に追い込まれる姿を描く。物語。サンダンス映画祭ワールド・シネマ・ドラマ部門の審査員特別賞をはじめとする世界各国の映画祭で果たし、2020年のアカデミー賞国際長編映画賞コロンビア代表に選出された。
公開された予告編は、荘厳なティンパニの音色から始まる。前半では、ゲリラ組織のメンバーで「MONOS」というコードネームで呼ばれる8人の少年少女たちが無邪気に戯れる寓話的な雰囲気もあるが、その後は一転、次第に狂気が暴走し、混沌さが増していく様子が切り取られている。音楽を務めたミカ・レヴィは『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』なども手掛けており、ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭とベルギーのゲント国際映画祭で受賞を果たした。
監督は、ボリビア初の先住民族出身の大統領エボ・モラレスのドキュメンタリー「コカレロ(原題) / Cocalero」や、下半身不随になった男性の実話を映画化した「ポルフィリオ(原題) / Porfirio」などを手掛けてきたコロンビアの新鋭アレハンドロ・ランデス。出演には『キングス・オブ・サマー』のモイセス・アリアス、『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』のジュリアンヌ・ニコルソンなど。
また、モイセス・アリアス以外のMONOSメンバー役として、コロンビア全土から集まった800人以上の中から選ばれた演技未経験の精鋭たちが参加している。アンデス山脈の高地で行われた過酷な訓練と演技オーディションを経て出演を果たした。さらに、実際のゲリラ組織「FARC」を脱退したことで賞金首となった過去をもつ元戦闘員が、MONOSの司令官であるメッセンジャー役を務めている。(編集部・大内啓輔)