『猫の恩返し』英語版で主人公ハルを演じたキャットウーマン女優!
スタジオジブリの長編アニメーション映画『猫の恩返し』(2002)で、ひょんなことから猫の国へと連れて行かれる女子高生・吉岡ハル。声優初挑戦となった池脇千鶴が瑞々しい演技を披露しているこの役で、英語版の吹き替えを担当したのが、『レ・ミゼラブル』(2012)でアカデミー賞助演女優賞に輝くアン・ハサウェイだ。
『猫の恩返し』は、偶然助けた猫の王子の妃候補として猫の国に連れて行かれ、猫にされてしまったハルが、猫の男爵バロンたちの助けを借りて人間界に戻ろうとする物語。当時のアンは、映画デビュー作『プリティ・プリンセス』(2001)で、ある日突然プリンセスとなってしまう女子高生を演じて注目を浴びていたころで、ハル役にはぴったり。2012年には、クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト ライジング』でセリーナ・カイル=キャットウーマンを演じることになるのが興味深い。
ちなみに『猫の恩返し』では、さまざまなトラブルに巻き込まれたハルが叫ぶシーンが多く、当時のメイキング映像でアンは、喉を傷めずに叫ぶ方法を学ぶことで収録を乗り切ったと笑顔で振り返っている。また、英語の音声ではなく、日本語のセリフに反応しながら収録をしたことも明かしている。
そのほかバロン役に『プリンセス・ブライド・ストーリー』(1987)のケイリー・エルウィズ、ムタ役にピーター・ボイル、トト役にエリオット・グールド、ナトル役にアンディ・リクターなどベテラン勢が参加。ハルのクラスメイト・ひろみを演じているのはクリスティン・ベル。そして猫王の声は、『ロッキー・ホラー・ショー』(1975)のフランクン・フルター博士や「IT/イット」(1990)のペニーワイズ役で知られるティム・カリーが担当。丹波哲郎が演じた個性的な役どころに、独自のアレンジで挑んでいる。(編集部・入倉功一)