『DUNE/デューン 砂の惑星』サンドワームは知性の象徴!監督が明かす誕生秘話
作家フランク・ハーバートのSF小説を映画化した『DUNE/デューン 砂の惑星』(10月15日全国公開)のメガホンを取ったドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が、本作に登場する巨大な砂虫サンドワームのデザインや誕生秘話について、日本の報道陣に向けた記者会見で語った。
【動画】サンドワーム、デカっ!『DUNE/デューン 砂の惑星』予告編
映像化困難ともいわれた、ハーバートの傑作小説「デューン 砂の惑星」(1965)に基づく本作。貴重な香料の産地である砂漠の惑星アラキス(通称・デューン)を舞台に、未来を見る能力をもつ主人公ポール ・ アトレイデス(ティモシー・シャラメ)の運命と成長を描く。
サンドワームは、ポールが降り立つ惑星アラキスに生息するミミズ状の巨大生物。デヴィッド・リンチ監督が1984年に発表した映画『砂の惑星』にも登場しており、作品の世界観には必要不可欠な存在だ。映画のシンボルともいえるサンドワームを原作通りに映像化するため、ヴィルヌーヴ監督はデザインに1年を費やすほどの徹底ぶり。本作におけるサンドワームは、「どこか生々しく、自然と完璧に調和しているような知性を象徴している」と説明する。
「サンドワームのデザインはリアルに、ハーバートの原作と同じく、環境との関係において、しっかりとハマる生物にすることを心掛けましたね。恐ろしくもあり、スピリチュアリティを表現する必要もありました。サンドワームと遭遇した人間は、神と奇妙な出会いを経験したかのような感覚を覚えるんです」
「厳しい環境の中で生き延びてきた生物って、どんな見た目なんだろう?」と想像を膨らませながら、本作に相応しいデザインを考えていったヴィルヌーヴ監督。最終的に、砂漠の惑星においてフィルターとして機能する無数の歯、そして大きく口を開けた時のルックスが目のように見える現在のデザインが相応しいと判断され、本作のサンドワームが誕生した。
ちなみにヴィルヌーヴ監督は、過去に「デューン 砂の惑星」の映画化を試みた鬼才アレハンドロ・ホドロフスキーの大ファン。頓挫したホドロフスキー版の裏側を映すドキュメンタリー『ホドロフスキーのDUNE』(2013)も鑑賞したそうだが、「私が『DUNE』を作りたいという選択に対して、インパクトは与えなかった」と本作への影響はないと語っている。(編集部・倉本拓弥)