「ウルトラマンコスモス」杉浦太陽&市瀬秀和、信じれば夢はかなう!春風コンビが未来につなぐ思い
2001年から2002年にかけて放送された特撮ドラマ「ウルトラマンコスモス」が20周年を迎え、先月27日に記念イベント「ウルトラマンコスモスナイト~20th Anniversary 君にできるなにか~」が行われた。イベントに出席した杉浦太陽(春野ムサシ/ウルトラマンコスモス役)と市瀬秀和(フブキ ケイスケ役)がインタビューに応じ、20周年を迎えた心境や、劇中で誕生した“春風コンビ”の裏側、未来の子どもたちに届けたい思いについて語った。
【動画】「コスモス」20周年!杉浦太陽&市瀬秀和、春風コンビが再会
「ウルトラマンコスモス」は、怪獣との共存を願う青年・春野ムサシが慈愛の戦士ウルトラマンコスモスに変身し、怪獣を凶暴化させる光のウィルス“カオスヘッダー”に立ち向かう姿を描いた作品。怪獣保護などを目的とする組織 TEAM EYES に入隊したムサシは、防衛軍出身のフブキ隊員と“春風コンビ”を結成し、時に火花を散らしながら、良きライバル関係を築いていった。
テレビシリーズから20年という節目を迎えた「ウルトラマンコスモス」。杉浦は、「『コスモス』が20周年を迎えて、何か(イベント)できないかと思っていました。市瀬くんとYouTube用に動画を撮ったりしたのですが、こうして円谷さんと『コスモスナイト』が実施できて本当に嬉しいですし、何より同窓会のようにみんなと会えるのが楽しみでした」と作品を応援し続けてくれたファンと交流する機会を作れたことに感無量の様子を見せる。
一方で市瀬は、撮影当時スタッフから掛けられた「放送当時の子どもたちにとっての永遠のヒーローだから、大人になってもヒーローなんだ」という言葉の真意を理解することができたという。「当時は言葉の意味が理解できなかったのですが、20年が経って、当時の子どもたちが大人になっても変わらず作品を愛してくれていることに気づきました」。
春風コンビという名前は、第5話「蛍の復讐」でヒウラ・ハルミツ隊長(嶋大輔)が命名したものだ。「結成当時はムサシとフブキ隊員がまだライバル関係という設定だったので、二人でコンビはやっていけるのかなと思ったのですが、そこからフブキ隊員との距離が縮まっていったんですよね」と杉浦が当時を振り返ると、市瀬も「『地球を良くしよう』というベクトルは同じなんです。フブキの場合は、人間に害を与える存在である怪獣を対処すべきだと考えていることに対して、ムサシは(人間と怪獣の)二つを救うというトンデモないことを掲げている。二つ救うことは普通であれば無理なことですけど、彼はそれを成し遂げるからすごい人ですよね」と相棒・ムサシの凄さを改めて感じていた。
第64話「月面の決戦」では、カオスヘッダーに占拠されたトレジャーベースに向かおうとするムサシに対して、フブキが「行くな、ウルトラマンコスモス」と放つシーンが登場した。杉浦と市瀬も、春風コンビの名シーンとして撮影の様子を今もはっきりと覚えていた。「あのセリフは、まさに市瀬さんがフブキ・ケイスケとして放ったセリフなんです。市瀬さんに別の人格があるかのように、フブキ隊員も成長していましたよね」(杉浦)、「ムサシを信用できるフブキにしか言えないセリフですよね。テレビシリーズがもうすぐ終わってしまうという感情ともリンクしているんですよ。あのシーンはよく覚えています」(市瀬)。
現在はサブスクやストリーミングサービスの普及により、過去の「ウルトラマン」シリーズを気軽に観返すことができる。「ウルトラマンコスモス」をリアルタイムで観ていた人々は家庭を持ち、コスモスを知らない世代の子どもたちに作品を語り継いでいく。4児の父である杉浦も、自身の子どもたちが「ウルトラマンコスモス」を観て慈愛の心を学んでいるといい、「子どもたちが、コスモスのような優しいハートを持って成長すると、将来『あれが慈愛の心か』と気づくはずなんです。『コスモス』はその原点であり、怪獣を倒さないということを最後まで貫いた作品として唯一無二だと思います。当時観ていない子どもたちも、『コスモス』を通して人間の本質の優しさを学んでほしいです」と思いを込める。
ウルトラマンコスモスから「信じれば夢がかなう」ということを学んだ市瀬も、「『信じれば夢がかなう』というのは何事にも言えることで、『ウルトラマンコスモス』を通して未来にもつないでいきたい。信じるものに真っ直ぐ向かっていけば、どんなことにもチャレンジできるんです。ムサシのように最初は無理だなと思ったようなことでも、何年後かに真っ直ぐやっていれば必ず叶う!」と力強いメッセージを送った。
春風コンビとして、20周年というアニバーサリーイヤーをファンと共に祝福することができた杉浦と市瀬。「ウルトラマンコスモス」完全新作の実現にも前向きで、「月日が経って、TEAM EYES のメンバーがどうなっているのか描きながら、コスモスの世界に他のウルトラマンが来てほしいですね。ウルトラマンゼロが、TEAM EYES と絡む姿が見てみたい。25周年で30分・1エピソードだけでもやりたい!」(杉浦)、「隊長になったフブキは、自分と同じ年齢になっても『自分は現場にいます』と最前線で戦うタイプだと思うので、現場で指揮をとっていそうですね」(市瀬)と想像を膨らませていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
「ウルトラマンコスモスナイト~20th Anniversary 君にできるなにか~」は9月20日23時59分(予定)までSPWNにて見逃し配信
「ウルトラマンコスモス」テレビシリーズ(全65話)はウルトラサブスク「TSUBURAYA IMAGINATION」で配信中