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桜庭ななみ、震災から10年後の宮城を生きる主人公に 新作映画が23年春公開

桜庭ななみ
桜庭ななみ - (C) UNCHAIN10+1

 震災から10年後の宮城を舞台にした新作映画『有り、触れた、未来』(2023年春公開)で桜庭ななみが主演を務めることが明らかになった。

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 本作は、現在も東日本大震災の語り部として、全国で防災教育を含めた講演活動を続けている齋藤幸男の「生かされて生きる 震災を語り継ぐ」から発想を得たオリジナルストーリー。監督を『グッモーエビアン!』『探検隊の栄光』『猫なんかよんでもこない。』『九月の恋と出会うまで』などで知られる山本透が手掛け、今回が自身初となる自主制作映画プロジェクトとなる。

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 主演の桜庭が演じるのは、10年前の交通事故で恋人を亡くした元バンドマンの佐々木愛実(ささきめぐみ)。劇中ではバンドの演奏も披露するため、現在はエレキギターを特訓中だという。

 桜庭は「初めて山本監督とお会いしたとき、このストーリーを描いたきっかけと、生死に対しての想いを伺いました。その時に、初めて東日本大震災から10年経った今でも復興だけではなく、命が途切れてしまうことも終わっていないんだなと感じました。この物語には大切な人の死と向き合って生きている人々が登場します。恋人の火葬のシーンから始まる今回の映画で、生死について、役に寄り添いながら丁寧に表現できたらと思います」とコメントを寄せている。

 ほかキャストは宮城県で行われたオーディションにて選出。現役中学生である碧山さえ(宮城出身)と鶴丸愛莉(岩手出身)が、震災で家族を亡くした中学生の里見結莉(さとみゆり)とその親友である野上咲良(のがみさくら)をそれぞれ演じる。劇中では和太鼓の演奏シーンがあり、こちらも特訓の最中とのこと。そして、結莉の祖母の里見文子を手塚理美(てづかさとみ)が演じる。

 製作には山本監督の企画・脚本に込められた思いに賛同した現役俳優陣がUNCHAIN10+1(アンチェインイレブン)というプロジェクトチームを結成し、全編宮城県内を舞台に2021年10月から撮影開始する予定となっている。公式サイトでは本作製作の協賛金の受付も行われている。

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 また、宮城県東松島市で活動を続けている「青い鯉のぼりプロジェクト」も全面協力を表明しており、劇中には空一面の「鯉のぼり」が登場する。(編集部・大内啓輔)

山本透監督コメント

一向に収まらない感染症に、人々は疲れてしまったのか。11年ぶりに日本人の自殺者数が増加し始めました。特に女性や若者の自死が増加傾向にあります。我々大人たちは、若者の死をどうしたら食い止められるのか? 模索し続け、宮城県という、かつて傷だらけだった地に辿り着きました。未だ癒えぬ哀しみとともに懸命に生き抜いてきた人々のエネルギーをお借りして、この映画は創られます。震災・復興をテーマとした作品ではありません。遠くなり、薄くなっていく人々のコミュニケーションのその先。コロナが収まった未来、人間はどう生きていくのか? この映画は「有り、触れられる」ことの尊さ、「互いに支え合う」ことの尊さを伝え、疲弊しきった人々に「生きる力」を届けます。若者の未来を照らすのは、大人たちの使命。そう信じて、全力でこの映画に挑んでいきます。

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