『G.I.ジョー』日本人キャスト、日本で撮るハリウッド大作のスケールに感動
映画『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』(10月22日全国公開)に出演する日本人キャストの安部春香と平岳大が、コロナ禍前の2020年2月に茨城県のロケ施設で取材に応じ、大規模な日本ロケを敢行した本作について語った。
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米玩具大手ハズブロの人気フィギュアから派生したアニメに基づき、悪の組織コブラに立ち向かう国際機密部隊の活躍を描いてきた『G.I.ジョー』シリーズ。最新作は、G.I.ジョーの最強戦士スネークアイズ(ヘンリー・ゴールディング)を主人公に、日本の忍者組織・嵐影に入門したスネークアイズが3つの試練を乗り越え、迫る忍者大戦から世界を守るさまが描かれる。安部は嵐影のくノ一・暁子を、平は嵐影を追われた最強の抜け忍・鷹村を演じた。
内閣府が初めて実施する「外国映画ロケーション誘致に関する実証調査の対象作品」に選定された本作。そのため、カナダ・バンクーバーにあるスタジオのみならず、姫路・大阪・茨城といった日本各地での大規模な長期ロケが実現し、姫路城や岸和田城などの名所で撮影が行われた。
日本で撮るハリウッド大作に参加した安部は、「姫路や大阪の歴史ある場所で撮影ができて、それぞれ素敵な場所で感動しましたし、光栄に思いました」と興奮気味に語る。世界で活躍する平も、「セットがめちゃくちゃ凄いんですよね。『こんなのホントに作るんだ!』『こういう作り方をするんだな!』と色々勉強になります」とハリウッド大作のスケールに驚く日々が続いたという。
日本とハリウッド、両方の撮影現場を経験した平。本作のような大規模な作品に参加して、改めて気づいたことがあった。
「現地のスタッフは袴の着方などがわからないので、YouTubeなどで調べてくるのですが、結局(日本人の)僕が一番上手く着ることができるんです。スタントダブルにも衣装を着せないといけないので、毎朝僕のトレーラーで少しずつ着方を教えてあげてたんです。ところがある日、(トレーラーにスタントダブルとして)違う人が来たんです。『いつもの人は?』と聞いたら、『バケーションに行った』と。日本だったら『やる気あんのか-!!!』と精神論になりますが、向こうでは引き継ぎもしっかりできているんです。落ち着いて考えてみると、一人の方が倒れたらダメと言うのではなく、ちゃんと代わりの方が待機しているんですよね。疲労した時は休暇を取る。それが仕事として機能していると感じました」
ロンドンを拠点に活動する安部も、「日本人という意識は人一倍強い」と力を込める。「海外はある意味自由というか、好きなことができるという反面、自分のアイデンティティーも大事にしなくてはいけないので、(自由とアイデンティティーの確立の)いいとこ取りができるようにバランスを心がけています」
『るろうに剣心』シリーズの谷垣健治が演出した本格アクションと、『G.I.ジョー』の世界観が見事に融合した本作。平は「『これは日本だ!』『これは日本じゃない!』という枠を外して、『G.I.ジョー』の映画として楽しんでいただけたらと思います」とアピールしていた。(編集部・倉本拓弥)