トロント映画祭、最高賞はケネス・ブラナー監督『ベルファスト』!
第46回トロント国際映画祭で最高賞にあたる観客賞を、ケネス・ブラナー監督の半自伝的な映画『ベルファスト(原題) / Belfast』が受賞した。昨年の『ノマドランド』をはじめ、トロントで観客賞に輝いた作品はアカデミー賞作品賞も制することが多く、オスカーの行方を占う重要な賞とみなされている。
近年は悪役を務めた『TENET テネット』への出演などで知られ、名探偵ポアロを演じ、監督もした『ナイル殺人事件』(2022年2月11日日本公開)の公開も控えているケネス。そんな彼が「最もパーソナルな映画」だと表現する本作は、幼少期を過ごした北アイルランド・ベルファストが舞台だ。1960年代後半の音楽と社会的な混乱の中で、一人の少年の愛と笑い、喪失の痛烈な物語が、そのほとんどがモノクロの美しい映像で描かれる。少年の父役で『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』のジェイミー・ドーナン、祖母役で大女優ジュディ・デンチが出演している。
ケネスは「『ベルファスト(原題)』をトロント映画祭でお披露目できたことは、わたしのキャリアの中でも特に忘れがたい経験の一つとなりました」と受賞スピーチ。「これほど多くのカナダの映画ファンたちが『ベルファスト(原題)』と深くつながってくださったことにわたしとジェイミー・ドーナンは完全に圧倒され、わたしたちは笑いと涙に包まれた記念すべき夜にそのことをずっと話していました」と喜びの声を寄せている。(編集部・市川遥)