小栗旬が信じられるリーダー像は?11年ぶり日曜劇場出演「日本沈没」10日スタート
10月10日より放送スタートとなるTBS日曜劇場「日本沈没-希望のひと-」(毎週日曜よる9:00~※初回は25分拡大)の制作発表会見が3日に開催され、主演を務める小栗旬が信じられるリーダー像について自身の見解を述べた。会見には小栗のほか、松山ケンイチ、杏、ウエンツ瑛士、中村アン、國村隼、比嘉愛未、石橋蓮司、仲村トオル、香川照之も参加した。
本作は、1973年に刊行された小松左京による不朽の名作「日本沈没」を、日曜劇場11年ぶりの出演となる小栗旬主演によりドラマ化。舞台を2023年の東京に置き換え、各省庁の次代を担う精鋭達を招集した「日本未来推進会議」のメンバーである環境省の官僚・天海啓示(あまみ・けいし/小栗)ら、そして政治家たちが日本沈没という国家の危機に立ち上がる姿を描く。
エリートたちが、それぞれの立場のなか決断しながら難局を乗り越えていく設定にちなみ、「信じられるリーダー像」を問われた小栗は「信じる力が強い人かなと思いました」と回答。その理由について「自分一人では何もできないから、それを支えてくれる人たちを最後まで信じ抜く力を持っている人がリーダーにふさわしいのでは」と述べた。
司会者から「普段の生活のなかで、(自身が)リーダーっぽいなと思うことはありますか?」と問われた小栗は「全然ないですよ」と苦笑いを浮かべると、小栗と公私で親交があるウエンツが「僕はリーダーだと思っていますよ」とフォロー。ウエンツは同作で日本未来推進会議の最年少メンバー・石塚平良を演じているが、「基本(小栗は)頼って欲しいと思っている方なのですが、実際僕が頼るとすごく頼りがいのあるのは間違いないので、役柄の石塚と天海同様、小栗さんの背中に心酔しています」と頼れる存在であることを明かす。
一方、天海と同じく日本未来推進会議に経産省代表として参加している常盤紘一を演じる松山は、小栗とドラマ「リターンマッチ ~敗者復活戦~」以来、17年ぶりの共演となる。小栗が「常盤という役にも、松ケンにもいっぱい支えてもらいました」と感謝を述べると、松山も「僕が演じた常盤はすごく客観的に物事を見られる人物。僕は自分のことしか考えていないので、小栗くんが現場でいろいろな人に話しかけて常にバランスをとっている立ち振る舞いが、常盤という役を作っていくうえですごく勉強になりました」と撮影を振り返っていた。
共演者から座長としての気遣いと頼れる姿を称賛された小栗だが、共演者と積極的にコミュニケーションをとるようになったのは、香川と共演してからだという。香川は本作で日本地球物理学界の異端児とされる物理学者・田所雄介を演じており、小栗とは映画『キサラギ』以来14年ぶりの共演となる。小栗は「僕は(舞台演出家の)父の影響もあって、ちゃんと人の名前を覚えなさいと教えられていたんです。でも20代前半で香川さんと作品をご一緒したとき、僕よりも先に香川さんがスタッフの方の名前を覚えていて、上には上がいるなと感じたんです。それ以来より強く現場でコミュニケーションをとることを意識するようになりました」とエピソードを明かしていた。
ドラマではそのほか、杏演じる週刊誌記者や、仲村演じる内閣総理大臣らさまざまな立場の人々が、日本に迫る未曽有の危機に向き合う。香川は「この物語には、失うものが多く本音が言えない立場の人間と、田所のように失うものが何もなく何でも言えてしまう人間が出てきます。天海は思ったことを言えない立場の人間であるにも関わらず、正しいことを言う。そのときどんなことが起こるのか……そこが大きな見どころだと思います」と力説すると、小栗も「言えない立場の人間である天海が一言発したことで、それぞれの関係性が変わるところに注目してほしいです」と作品に込めた思いを語っていた。(磯部正和)