『007』パロマ役アナ・デ・アルマス、ドレス&ハイヒールでの壮絶アクションシーンの裏側
映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』でキューバのCIAエージェント・パロマ役を務めたアナ・デ・アルマスがインタビューに応じ、美しいドレス&ハイヒール姿で繰り広げた激しいアクションシーンの裏側を明かした。
美しくセクシーな見た目とは裏腹に天然で熱血なパロマは、アナのために書かれたキャラクターだ。「キャリー(監督・脚本のキャリー・フクナガ)がある日、『この映画にはキューバのCIAエージェントが登場するんだけど』と電話をしてきて、彼はそれがわたしだと思ったと言ってくれたの。パロマについての彼のアイデアを共有してくれて、それを実際に脚本に書いてくれた。本当に興奮して、すごく気に入った」と瞳を輝かせる。
アナが興奮したのは、パロマが従来のボンドガールの型にはまらない点だ。「ボンドガールといえば、かわいい女性、美しいドレス、セクシーでエレガントでグラマラス、そしてボンドに助け出されるといったイメージだけど、わたしがこの映画でエキサイティングだと思ったのは、女性の役について変化や進化が見られる点なの。本作に出てくる女性たちは、セクシーでグラマラスということは同じでも、やるべき仕事を持っている。ストーリーに必要不可欠で、スキルもあって訓練も積んでいてパワフル。それをそれぞれのやり方で示していると思う」
スケジュールの都合で準備のための時間が十分には取れなかったアナは、「集中講座みたいだった(笑)」という3週間で全てをたたき込んだ。「今回のアクションシーンはたくさんのエキストラたちも参加する複雑なものだったから、やるべきことが本当に多くて。たくさんのアクションの振り付けに、銃を扱うのも初めてだったからいろいろな種類の銃の撃ち方も習わないといけなかったし。わたしはこれまでアクション映画をやったことがなかったから、全てが新鮮でエキサイティングだった。すごく激しくてヘトヘトになったけど、スタントチームの人々は素晴らしくて、彼らからたくさんのことを学んだわ」
アナはそんな難しいアクションシーンを、エレガントなドレスにハイヒールを着用してこなしている。「クレイジーだった。思い出させないで!」と笑ったアナは、「キューバのストリートのシーンは、ロンドンのスタジオにリアルに再現されたものだったの。衣装のドレスは本当に美しいんだけど、キューバの気候に合わせたものなワケ(笑)。ロンドンじゃなくて(笑)。だから、わたしはずっと凍えていた」と笑って打ち明ける。
「それに、実際にアクションシーンをハイヒールでやるのはとても危険でもあった」と続けたアナ。激しいアクション中に足をひねってしまう可能性などアナ自身が危険を感じたのかと思いきや、優しい彼女が心配していたのは共演者たちのことだった。「だって、誰かをヒールで傷つけたり、突いたりしてしまう可能性があるから。ハイヒールは武器よ! だからハイヒールで行動する時はものすごく気を付けないといけない(笑)。すごく楽しかったけどね」と振り返った。
そして、ミステリー映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019)では、変わり者の名探偵ブノワ・ブランと彼が“ワトソン役”に指名する看護師という全く違う役柄で共演していたダニエル・クレイグとアナ。「(全く違う役柄だったから)不思議な感じだったけれど、彼がスーツを着て銃を持ち、ジェームズ・ボンドになっているのは本当にすごかった。まさにレジェンド」とダニエルをたたえる。「少しナーバスになるかもしれない、というのが心配していたことだったんだけど、ダニエルはとても助けになってくれた」「撮影現場にいる時の彼はとても集中していて、それでいて優しくて面白い。撮影の合間も俳優たちと過ごすのが好きで、常にクールだった」と再共演を語っていた。(編集部・市川遥)
映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は公開中