永野芽郁、田中圭の心遣いに「キューン」
女優の永野芽郁が5日、都内で行われた映画『そして、バトンは渡された』ジャパンプレミアに出席し、義理の父親役の田中圭からの心遣いにキューンとしたことを明かした。イベントには石原さとみ、稲垣来泉、市村正親、前田哲監督も参加した。
本作は、第16回本屋大賞で大賞を受賞した瀬尾まいこの小説を映画化した作品。血のつながらない親のもとで育ち、4回苗字が変わった優子(永野)と、まな娘を残して失踪した梨花(石原)の物語が交錯していくさまを描く。
これまでも数々の映画やドラマに出演してきた永野だが、本作には不思議な巡り会わせがあったという。「母親がわたしの前で原作を読んでいて、とにかく楽しそうに笑ったり、涙を流したりして感情が動いているのを見ていました。わたしもそのときに原作を読んだのですが、母が『もしこの作品が映画やドラマになったら、芽郁に主人公を演じてほしい』って言っていたんです」と話した永野は、母の話が現実になったときには「すごく不思議な気分になりました」とオファーがあった当時を振り返る。
永野演じる優子の義理の父・森宮さんを演じた田中は「僕も(私生活では)父親なので、最初はどうにかなると思った」と言うが、実際は親子ほど年が離れていないという設定は想像以上に難しかったようで「お兄ちゃんにならないように気をつけました」と役づくりについて語る。司会者から「森宮さんと自身の共通点は?」と聞かれた田中は「僕は料理もしないし、普段眼鏡もかけていない。あまりないですね」と答えつつも、「懐の深さぐらいですかね」と冗談ぽく発言し、会場を笑わせていた。
劇中では義理の父と娘という微妙な距離感を永野、田中共に好演したが、永野が卒業式でピアノを弾くシーンについて「長時間での撮影のなか、しっかり感情と向き合ってやっていた。俳優として尊敬しました」と田中が永野を労うと、永野は「すごく集中してピアノを弾いていて、手が動かなくなってしまったのですが、田中さんが気づかってケーキを買ってきてくれたんです」と優しさに感動したエピソードを披露。さらにこの日、田中が登壇時にサプライズで永野に花束を渡すと、永野は「びっくりしてキューンってなってしまいました」と満面の笑みを浮かべ、田中の心遣いに感激していた。
永野は「とにかく優しい空気に包まれているステキな映画ができたと自信を持って言えます」と胸を張ると、「映画全体を通して、誰かを大切に思ったり、思われたり……大事な人を前にして声をかけたいという気持ちになりました」と作品との出合いに感謝していた。(磯部正和)
映画『そして、バトンは渡された』は10月29日より公開