「ドラクエ」作曲家すぎやまこういちさん、90歳で死去 堀井雄二&鳥山明が追悼
大人気ゲームシリーズ「ドラゴンクエスト」の音楽を手掛けた作曲家すぎやまこういちさんが9月30日、敗血症性ショックのため亡くなった。90歳だった。
【画像】2年前、元気な姿を見せていた作曲家すぎやまこういちさん
すぎやまさんは1931年4月11日、東京都生まれ。大学卒業後、フジテレビでディレクターとして「おとなの漫画」「ザ・ヒットパレード」などの番組を手がける。同時に作曲家としての活動を始めると、「亜麻色の髪の乙女」「恋のフーガ」といったヒット曲や、中山競馬場の発走ファンファーレなど、多岐にわたるジャンル音楽を手掛けた。
「ドラゴンクエスト」シリーズでは、500曲以上に及ぶ楽曲を一人で作曲しており、2016年には「最高齢でゲーム音楽を作曲した作曲家」としてギネス世界記録に認定。今年行われた東京オリンピックの開会式では、「ロトのテーマ」が使用されて話題となった。すぎやまさんの最後の仕事は、制作中の最新作「ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎」となる。
すぎやまさんの訃報を受け、シリーズの生みの親である堀井雄二さんと、キャラクター&モンスターデザインを手掛けた鳥山明さんが、「ドラゴンクエスト」公式サイトでコメントを発表。堀井さんは、「ドラゴンクエストを作って35年、その世界に、すぎやま先生は音楽という命をずっと吹き込んできてくださいました。先生には本当に素晴らしい楽曲をいっぱい書いていただきました」と感謝し、「これからもドラクエは、先生の音楽とともにあります。ユーザーの皆さんの心の中に先生は生き続けるはずです。すぎやま先生長い間本当にありがとうございました」と追悼した。
鳥山さんも「つい数年前にお会いした時の印象からもいい意味で、永遠の命を持つ魔法使いのように思っていました。ドラゴンクエストのイメージは、当時からゲームが大好きでいらした、すぎやま先生の素晴らしく印象的な数々の名曲によって決定付けられた。と言っても過言ではありません」とコメント。「長くご一緒に仕事をさせていただいて本当に光栄でした! 心よりご冥福をお祈りいたします」と故人を偲んだ。
「ドラゴンクエスト」公式サイトによると、葬儀・告別式は親族及び近親者のみで執り行われたとのこと。日程は未定だが、後日お別れの会も行われる予定だという。(編集部・倉本拓弥)