桐谷健太、三船敏郎賞を受賞し高らかに宣言!京都国際映画祭
11日から17日までの1週間にわたって開催された京都国際映画祭2021が閉幕した。前身の「京都映画祭」を引き継ぎつつ、8年前から吉本興業が企画制作し、映画のみならずアートやパフォーマンス、工芸、演芸も対象にイベントを行ってきた同映画祭だったが、昨年はコロナの影響により、オンラインのみでの開催を余儀なくされた。開幕直前の9月30日まで京都府も緊急事態宣言が出ていた状況のなか、今年はオンラインと対面のハイブリッド開催を決定した。
各会場の受付では、消毒液と検温が徹底されるなど、新型コロナウイルスの感染拡大防止に取り組まれており、多くの観客が来場した。京都では、京都三大祭りの「時代祭」の行列や「祇園祭」の山鉾巡行が、太平洋戦争ぶりに2年連続中止となったりと、数々のイベントが中止になったり、規模縮小となった。外国人観光客は激減し、日本有数の観光都市はこの2年、コロナ禍で大打撃を受けてきた。
そんな中、映画『西成ゴローの四億円』プレミア上映をはじめとした新旧の多彩な映画上映、銭湯・玉の湯を会場に各国で高い評価を得ている夫婦パフォーマンスユニット・usaginingen(ウサギニンゲン)が自作の映像機と楽器を使ったイベント、才能ある芸術・文化の担い手の作家たちを発掘・育成する「クリエイターズ・ファクトリー」、SDGs(持続可能な開発目標)をテーマにしたネタを競う「SDGs-1グランプリ」など数々のイベントが映画・アート・イベント・ワークショップの4つのカテゴリに分けてハイブリッド開催された本映画祭。
最終日に行われた授賞式では俳優の桐谷健太が、「三船敏郎賞」を受賞。「この賞をいただいたことで、これから日本でも世界でも活躍して人の心を震わせ、感動を与えられるような役者に、俺はなる!」と高らかに宣言した。また、日本映画の発展に大きく貢献した映画人に贈られる「牧野省三賞」は、昨年『劇場版『アンダードッグ』前後編』など監督作が多数公開され、Netflixオリジナルシリーズ「全裸監督」も手掛けた武正晴監督が受賞した。
対面で行われたイベントには多くの人が訪れていたが、京都市内に住んでいるという女性客に話を聞くと「長い間イベントに足を運んでいなかったから今日は久しぶりに映画を観れてうれしかった。昨日はこがけんさんや(ガレッジセールの)ゴリさんの活弁イベントに参加したが、久しぶりに笑えた気がします」と笑顔を浮かべていた。
「前向け、前。」をテーマにし、コロナ禍で開催された今年の京都国際映画祭は、新旧の多彩な映画やアート、お笑いの力を通して、京都の街に活気をもたらそうとする意気込みが感じられた。(森田真帆)