高梨臨、世界一不運な35歳を熱演!人生前進するには「諦めも必要」
金運、仕事運、男運……ことごとくツイていない3人の女性たちのジェットコースターのような人生を描くドラマ「アンラッキーガール!」(毎週木曜夜11時59分~、読売テレビ・日本テレビ系で放送中)。本作で、徹底的に仕事運がない無職の35歳・綾波樹(あやなみ・いつき)を演じているのが女優の高梨臨だ。しっかり者でプライドは高いが、本当は臆病で堅実を目指すという、不器用でチグハグな女性。そんな樹を演じる高梨が、自身の経験を振り返りながらキャラクターを分析するなかで、20代から30代への変化について語った。
ファッションもキュート!「アンラッキーガール!」3話場面写真
コミカルなお芝居は大好き!
本作は、金運をはじめあらゆる運がゼロの福良幸(ふくら・さち/福原遥)、男運も対人運もゼロの朝倉香(あさくら・かおり/若月佑美)、そして高梨演じる仕事運ゼロの樹が、将棋倒しのように襲い掛かる不運に見舞われながらも、幸せに向かって突き進む姿を描いたコメディー。語りをバカリズムが担当している。
「ここまで振り切った感じのコメディーは久しぶりですね」と笑う高梨。20代前半はコメディー作品に出演する機会が多かったというが、近年シリアスな役を演じる機会が増えていたため、今回は思う存分現場を楽しんでいる。「監督から『もうちょっとだけ可愛らしさを残して』なんて言われたりしているんです(笑)」と充実の表情だ。
台本を読んだ際には「登場人物たちはすごくアンラッキーなのですが、頑張っている姿が何とも可愛らしく楽しそうに見えるのがいいなと感じました」と高梨。自身が演じる樹については「何でも思ったことを口に出してしまう。しかも言っていることが決して正しいわけでもないので(笑)、うるさい感じにならないようにしたいなと思っていました」と役づくりを明かす。
高梨の言葉通り、劇中の樹はプライドが高く、強めな女性でありながらもどこか隙があり、時に年下の香にツッコミを入れられるなど、コミカルなキャラクターになっている。高梨自身「普段のわたしも、結構オーバーリアクションで友人としゃべることが多いので、シリアスな役よりは『ちょっとやり過ぎじゃない?』くらいのコミカルな芝居は大好きなんです」と笑う。
考えても解決できない時には諦めることも必要
一生懸命だが、空回りすることが多い等身大の女性として描かれる樹。高梨は「真剣に取り組んで集中し過ぎちゃうところは共感できます」と言いつつも「でも樹ほど空回りはしないかな。さすがにあれだけ失敗したら学習すると思います」と苦笑い。
そんな樹のような状況に置かれた際、どうすれば乗り切れるのか……?「わたしは考えても解決できないようなことは『次へいこう』って諦めるというか、引きずらないようにしますね」と、高梨自身はいたってポジティブ思考。「もちろん、考えれば解決策が見つかるような問題でしたらメチャクチャ考えますけれど、自分で状況を変えることができないようなことは『もういいや』と寝て忘れちゃいます」とキッパリ。
しかし、ここにたどり着くまでは紆余曲折があったという。高梨は「女優のお仕事って、すごく考えることが多いと思うんです」と切り出すと「役への向き合い方はもちろんですが、プライベートでも役が入ってくることもありますし、評価に対するプレッシャーもあります。特に20代のころは、わたしも樹みたいにかなり必死で生きていたような気がしますが、考えても結論が出ないと疲弊してしまいますよね」と、樹と重なる過去を思い返す。
吹っ切れた30代!結婚も一つのきっかけに
「どんなに悩んでも、落ち込んでも、解決できないなら諦めてもいい」。こうした考えに至ったきっかけを問うと「何でしょうね。30代になったという年齢的なこともあるのかもしれません。あとは結婚したということもあるのかな」とつぶやく。「やっぱり心に余裕ができると、余計なことを考えなくなるんですよね。そうすると仕事への向き合い方も変わりますし、多くのことを受け入れられるようになってきたような気がします」と変化を述べる。
本作では、3人の女性たちが恋愛や仕事においてドツボにハマったとき、「占い」が思わぬカギとなる。高梨は「人生において一か八かみたいなときは『神様~!』のような境地にもなりますが、わたし自身はあまり占いみたいなものには縛られないですね。例えば『右足に気をつけなさい』とか言われたら、気になって生き方がぎこちなくなってしまうので」と、あくまで占いは参考程度にしているという。
現在32歳の高梨。仕事面での変化の可能性について尋ねると「これまでほとんど母親役をやったことがないんです」と言い、「まだ私生活で母親になっていないので、自分にできるのかなという不安はありますが、今後はそういう役も増えていくのではないかと思います」と未来に思いを馳せる。
女優として大切にしていることは、普通の生活の感覚を持つこと。「演じる人物って、圧倒的に市井の人が多いのですが、この業界にいるとどうしても生活リズムを含めて感覚が偏りがち。わたしは高校時代の友人と今でも仲がいいので、芸能界以外の友人との時間も大切にしています」と自身のスタイルを述べた。
思わず笑ってしまうほどの災難に見舞われる女性たちだが、思うようにことが進まず悩み葛藤する姿は、多く共感を誘うはずだ。「遥ちゃんも佑美ちゃんも本当にすごく仲が良くなっていて、撮影を重ねるたびに絆が深まっています。絶対面白いものをお届けできると思います」と自信をみなぎらせていた。(取材・文・撮影:磯部正和)