『ノッティングヒルの恋人』監督の長編遺作、来年2月に公開決定 名画盗難事件をめぐる感動の実話
今年9月に逝去したロジャー・ミッシェル監督の長編遺作『THE DUKE』の邦題が『ゴヤの名画と優しい泥棒』に決定し、2022年2月25日よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開されることが明らかになった。
『ノッティングヒルの恋人』などで知られるミッシェル監督の長編遺作となる本作が描くのは、197年の歴史を誇るロンドン・ナショナル・ギャラリーで起きたフランシスコ・デ・ゴヤの名画「ウェリントン公爵」盗難事件。1961年、2,300点以上のコレクションを誇るナショナル・ギャラリーで起こった盗難事件の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントンだった。彼はゴヤの絵画を“人質”に取り、イギリス政府に対して身代金を要求。その身代金を寄付してイギリスの公共放送であるBBCの受信料を無料にし、孤独な高齢者たちの生活を助けようと行動を起こした。だが、事件にはもう一つの隠された真相があった。
主人公ケンプトンを演じたのは『アイリス』でアカデミー賞助演男優賞を受賞し、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』や『ハリー・ポッター』シリーズ、『パディントン』シリーズなどに出演するジム・ブロードベント。その妻役を『クィーン』でアカデミー賞やゴールデングローブ賞などの主演女優賞を受賞したヘレン・ミレン、息子役を『ダンケルク』などのフィオン・ホワイトヘッドが息子役を務める。
ミッシェル監督は今後の待機作にエリザベス2世の素顔に迫ったドキュメンタリー『Elizabeth(原題)』(2022)が控えていたが、今年の9月に65歳の若さで惜しまれながらも逝去し、本作が長編遺作となった。『恋とニュースのつくり方』『私が愛した大統領』『ウィークエンドはパリで』などに通ずるテンポのよいウェルメイドな作風は本作でも健在で、胸に迫る感動作となっている。(編集部・大内啓輔)