林遣都&小松菜奈の想像を上回る演技!『恋する寄生虫』監督が感じたスゴさ
映画『恋する寄生虫』(公開中)でダブル主演を務める林遣都と小松菜奈の演技のすごさについて、監督を務めた柿本ケンサクが、シネマトゥデイのYouTube配信番組「シネマトゥデイ・ライブ」のインタビューで語った。
本作は、作家・三秋縋の恋愛小説が原案。林演じる潔癖症に苦しむ孤独な青年・高坂賢吾と、小松ふんする視線恐怖症で不登校の女子高生・佐薙ひじりが出会い、生きづらさを抱えながらも儚く繊細な恋を育んでいく。しかし、その恋は脳内に寄生する虫によるもので……という物語が展開する。
柿本監督は、目には見えない心の傷を抱える主人公たちについて、「内面の苦しみの表現を演技でするのはものすごく大変で難しい」ととても難解な役柄だと考えていた。そして、脳内に寄生する虫によって、脳と心が別軸で進んでいくキャラクターでもあるため、かなり計算された演技と絶妙なバランスを必要としていた。
複雑な感情抱える高坂を熱演した林について、監督は「本当に彼でよかった。内省的なものをうちに込めたりする芝居がすごい上手いんです」とべた褒め。一方の小松については、「前から何回か仕事をしたことがあるんですが、芝居の瞬発力がすごい」とちょっとした一言を投げかけたり話し合いをすると、一気に演技に変化が生まれることを明かし、「この2人にしかできなかった」と振り返る。
また、「撮影現場では、(2人の演技に)しょっちゅう拍手も起こった」というエピソードも。林が本番でいきなりものを投げる演技をした際には、カメラマンと2人で目を合わせて感嘆したという。「彼らが演技すると、初めに想像していたことをポーンと越えてきて。『なるほどな、こんないいシーンだったっけ』」と驚きの連続だったそうだ。
2人の演技を見て、「だったらこう撮ろう、こうライティングをこうしよう」と撮影現場で生まれたものも多く、林と小松が役についてかなり考えていたことにも感謝。全幅の信頼を寄せていた。(編集部・梅山富美子)