「梨泰院クラス」悪役から「マイネーム」で大変身!アン・ボヒョンのギャップがすごい
Netflixの「今日の総合TOP10」ランキングで、上位にランクインしているNetflixオリジナルドラマ「マイネーム:偽りと復讐」。当初は主人公に反発しながらも、次第に心を寄せていく先輩刑事ピルト役で熱演を見せているアン・ボヒョン。シュッとした顔に引き締まった体、しかも寡黙でタフで情に厚い、やけにイイ男にふんしているが、この顔に見覚えあり! そうです、あの「梨泰院クラス」で憎き悪役を演じていた彼です。一躍スターの仲間入りをして今、「マイネーム」でさらに人気急上昇中。そんなアン・ボヒョンに注目してみたい。(前田かおり)
1988年5月16日生まれ、現在33歳のアン・ボヒョン。釜山で生まれ育った彼は、中学時代からボクシング選手として注目され、将来も有望視されて釜山体育高校に進学。ボクシングの練習に明け暮れ、その実力は大会で優勝するほどだった。だが、骨折などケガも多く、ボクサーの道を断念。187センチという高身長で周りからモデルの道を勧められて、大慶大学校モデル学科に進学し、2007年、在学中にソウルコレクションでモデルデビュー。その後も事務所にも所属しないで数々のショーに出たというのは異例だった。
モデル活動をしながら演技の勉強も続け、2014年に「ゴールデンクロス 愛と欲望の帝国」で俳優に転身。「カッコウの巣」(2014)、「最高の恋人」(2015)、「アイアン・レディ」(2016)など端役でキャリアを積み上げ、ソン・ジュンギ主演のメガヒットドラマ「太陽の末裔 Love Under The Sun」(2016)で、精鋭特殊部隊アルファチームの5人のうちの一人として出演。体を張ったアクションと肉体美で視聴者の目を集めた。
地味に作品を重ね、2018年WEBドラマ「トッコリワインド ~復讐の毒鼓~」に出演。同作は、韓国で人気のWEB漫画「復讐の毒鼓」(高校を舞台にした壮絶な復讐劇)の前日譚で、EXOのセフン、「SKYキャッスル ~上流階級の妻たち~」「悪霊狩猟団:カウンターズ」などのチョ・ビョンギュらとフレッシュなキャスト陣の熱演で評価も高かった。そして、2019年「彼女の私生活」で主演パク・ミニョンの幼なじみで恋心を寄せる役として、地上波ドラマでようやくメインキャストに名を連ねる。
また同年、日韓共同製作の映画『デッドエンドの思い出』も公開される。同作はよしもとばななの短編小説をもとにしており、ボヒョンはスヨン(少女時代)演じるヒロインの大学時代からの恋人で、卒業後、名古屋に暮らしてヒロインとは遠距離恋愛中だったが、ヒロインが訪ねてみれば、日本人女性と恋仲に……。
というような役どころから一転、2020年につかんだのが、「梨泰院クラス」の憎き悪役。財閥・長家(チャンガ)のボンクラ息子グンウォン役で、パク・ソジュン演じる主人公パク・セロイのやる事なす事、姑息に邪魔をするといういけ好かない役どころ。だが、全く父親から愛されたことがないという不憫な一面もあり、複雑な感情表現を見事にやりきった。
一大ブームになった「梨泰院クラス」で強烈な悪役のイメージが着いたが、その素顔は真面目で爽やかなスポーツマンタイプで、俳優としては役づくりにのめり込むタイプ。くっきり割れた腹筋やたくましい二の腕など、ボクシングで鍛え上げた肉体美が注目されるが、精神力や忍耐力も鍛えられたようだ。だからこそ、端役ばかりだった頃も乗り越えてこられたとあるインタビューで答えている。
また、今も自宅にトレーニングマシンを置くなどして体を鍛え、365日のうち300日は食事調整もするというストイックぶり。「マイネーム」では当たり負けしないタフな捜査官を演じるために5キロ増量。プロ意識が半端ないようだ。
新作「ユミの細胞たち」は、「トッケビ ~君がくれた愛しい日々~」「ザ・キング:永遠の君主」などのキム・ゴウンとの共演で描くラブコメディー。WEB漫画原作のドラマで、ボヒョンはゲーム開発者役。長髪にヒゲをつけ、今までのイメージとはまるで別人と化している。さらに、2022年はドラマ「軍検事ドーベルマン」が待機。軍法廷という今までにない舞台にスポットを当てた法廷劇で、ボヒョンは軍隊内の腐敗を正す軍検事を演じるという。悪役を脱皮して、次から次へと新たな面を見せてくれるボヒョン、今後、どんなキャラクターにチャレンジしていくのか楽しみだ。