キアヌ・リーヴス、ネオのような役には「出会えていない」マトリックス復帰への思い
映画『マトリックス』シリーズ最新作『マトリックス レザレクションズ』で、約18年ぶりに人類の救世主ネオ役に復帰したキアヌ・リーヴスが、続編のオファーを受けた経緯と共に、自身のキャリアにおいて重要だった「選択」を、合同インタビューで振り返った。
再覚醒したネオ、トリニティー救出へ!『マトリックス レザレクションズ』本予告編
1999年公開の『マトリックス』は、自分の生きる世界が、人類を支配する機械の作った仮想現実だと知った凄腕ハッカー・ネオ(キアヌ)が、救世主として戦いに身を投じるSFアクション。『レザレクションズ』は、シリーズ第3弾『マトリックス レボリューションズ』(2003)に続く最新作となる。
大ブームを巻き起こした3部作をもって終結したと思われたシリーズの復活。キアヌにとっても、続編の話は寝耳に水だったという。「(3部作を手掛けた)ラナ・ウォシャウスキー監督から連絡があったのはだいぶ前のこと。『今、話せる?』ってメッセージを受け取って電話に出たら、新しい『マトリックス』を作ろうと思っていると言われて、ソファから一気に立ち上がったよ。ラナが監督で『マトリックス』をやるというなら、引き受けるよね(笑)」
現実に目覚めるか、夢の世界で生きるのか、モーフィアスがネオに赤と青のピルを選ばせるシーンをはじめ、『マトリックス』では、シリーズを通じて「選択」が重要なキーワードとなる。キアヌにとって、キャリアにおける最も重要な選択とは、やはり『マトリックス』への出演だったのか。「そうした問いに答えるのは苦手なんだ(笑)。でも今は『マトリックス』の話をしているから、そうだってことにしておこう」というキアヌは、こう語る。
「やはり、役者になるという選択が重要だった。これが一番大きな選択だったかもしれない。初めて手に入れた車に乗って、自分が育ったカナダのトロントからハリウッドに向かうことは、とても重要な選択だったよ。それから、どんな映画を作るときも選択をしてきたわけで、そうした機会を与えられたことにとても感謝している」。
『レザレクションズ』では、トリニティー役のキャリー=アン・モスもシリーズに復帰。強い愛で結ばれながら、前3部作では悲劇的な運命をたどった2人に対して、ラナ監督は思い残したことがあったようだと、キアヌは明かす。「(ラナのネオとトリニティーへの思いが)この映画を作る理由であり推進力なんだ。彼女からは、彼らに対する愛情と思い入れの深さを聞いていたし、2人のつながりをより深く掘り下げるために『マトリックス』の世界に戻りたいと話していた。ラナは彼らを愛している。そして、彼女にとって愛とは、最も大切な絆なんだ」
もちろん、キアヌにとっても、ネオは特別な存在であり続けた。「『マトリックス』はいろいろな意味で特別な作品だけど、根本的には、やはり(ネオという)キャラクターだよね。自分がいる世界の真実を求める姿、トリニティーとのつながりや彼女に抱く責任。この2つの資質を演じられるなんて最高だ。脚本にはキャラクターとつながりを持ったテーマや素晴らしいアイデアが込められていて、世界観も非凡なものだった。実際のところ、『マトリックス』のような映画やネオのようなキャラクターを演じる機会は、他にめぐり合えていないからね」。(編集部・入倉功一)
映画『マトリックス レザレクションズ』は12月17日より全国公開