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西野七瀬「あな番」黒島役はプレッシャー「不安以外の感情はなかった」

西野七瀬
西野七瀬 - 撮影:尾藤能暢

 話題となったドラマ「あなたの番です」(2019)に出演した西野七瀬。演じた黒島沙和の理解を深めた瞬間や、10日に公開された『あなたの番です 劇場版』への思いを語った。

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 ドラマ「あなたの番です」(2019)は、年の差カップルの手塚菜奈(原田知世)と翔太(田中圭)が、引っ越し先のマンション・キウンクエ蔵前で交換殺人ゲームに巻き込まれるさまを描いた作品。劇場版では、ドラマ初回で描かれた、菜奈と翔太の引っ越しの日を起点としたもしもの世界が展開する。

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 ドラマでは、西野演じる黒島が黒幕という衝撃的な展開で幕を閉じたが、「はじめの段階で『黒幕です』と伝えられていました」と明かす西野。「お芝居自体、たくさん経験しているわけではなかったので、こんな大役大丈夫かな? と不安がすごく大きかったです。不安以外の感情はなかったかもしれないです」とプレッシャーがあった。

 放送中はSNS上で犯人考察が白熱。西野自身は、「あまり考察を見ていませんでしたが、Twitterなどで盛り上がっているという情報は聞いたりしていた」そうで、「キャストの皆さんとは、前室で話しているときに『あれは誰がやったんでしたっけ?』と結構話をしたりして。『あれはあの人じゃないの?』『いや、あれはわたしですよ』と。わたしも聞かれたら答えていたんですが、すごくびっくりされるっていう(笑)」というエピソードも。

 黒島は、人を殺すことにためらいがないサイコパスな役どころ。「基本的に共感はできないので、理解しがたい感情を持っていることは想像するしかない。なるべく寄り添えるように」と役に集中。「黒島ちゃんに限らず役のことを自分なりに納得したいので、監督さんとかには『なんでこういう行動をするんですか』『どう思いますか?』『なぜこういうことをすると思いますか』と聞いたりもします」と積極的な一面をのぞかせる。

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 「黒島ちゃんのときも、監督とプロデューサーさんによく役について聞いていました。『本当は黒島も自分自身が存在しない方が良いって思っている。本人的には、社会にとって良くない存在ということもわかっている』というお話をしてもらって、『あ、そうなんだ』と同情じゃないですけど、『黒島ちゃん……』とその時に少し泣いちゃいました。生まれた時からだから、きっとどうしようもなかったというか……。彼女なりにもやっぱり、そういう後ろめたさみたいなのもあるんだな」と役への理解が深まった。

 黒島を演じたことは、俳優として歩むなかで大きなできごとだった。「乃木坂46を卒業してすぐに『あなたの番です』が始まったんです。自分の演技を観返すのが怖いかもしれません。でも、ドラマが終わる頃にはとてもたくさんの方に観ていただけて、楽しんでもらえて……。これをきっかけにわたしのことを知ってくださった方とかもいるのかな。こんなにすごい作品に出演したことに誇りもありますし、責任感も芽生えてより一層がんばらなきゃ! と思いました」と真っすぐ前を見つめる。

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『あなたの番です 劇場版』より - (C)2021『あなたの番です 劇場版』製作委員会

 その転機となった「あな番」が劇場版に。「劇場版をやるという情報が出た時に、周りの人に『どうやるの?』『続きってこと?』とすごく言われました(笑)。ドラマの続きを描くことは難しいので、『わたしはもう出演しないのか』と思ったり。でも、もしもの世界という説明を受けて、台本読んだらめちゃくちゃ面白くて」と期待に心が弾んだ。

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 久しぶりに黒島を演じるにあたり「自分ひとりだと役を取り戻す感じがちょっとわからなかったんですが、マンションの住人役の方との撮影していくうちに思い出した」という。また、横浜流星演じる二階堂忍とのシーンについては、「どーやん(二階堂)との結構大事なシーンを割と早めに撮影したんです。黒島とどーやんは敬語で会話するのですが、その独特な掛け合いをしていくうちに、2人の雰囲気を思い出しましたね」と回顧する。

 劇団☆新感線の舞台「月影花之丞大逆転」、映画『孤狼の血 LEVEL2』やドラマ「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」と着実にキャリアを積んでいる西野だが、俳優としての成長を自身では感じているのだろうか。「自分ではわからないですが、(原田)知世さんが『すごくいいよ』と声をかけてくださって。客観的に見ている方からの言葉はすごく嬉しいです。『あな番』のあとに(木村)多江さんと仕事でご一緒して、『成長しているところをずっと見守っている気がして』みたいな風にお話してくださって。気にかけていただいて、皆さん優しいです」と共演者からの言葉が励みになったようで、嬉しそうにほほ笑む。

 そんな西野は、木村演じる早苗のような暴走してしまうキャラクターにもいつか挑戦したいという。「あれほどの狂気を、いつか出すことができたらすごくこう気持ち良いんだろうなって思います。すっきりしそう」と笑いながら意欲を見せていた。(編集部・梅山富美子)

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