新海誠監督、新作『すずめの戸締まり』3つのコンセプト明かす 上白石萌音&森七菜も興奮
新海誠監督が15日、都内で行われた新作アニメーション映画『すずめの戸締まり』(2022年秋公開)の製作発表会見に出席し、作品の骨子となる3つのポイントについて語った。会見には新海監督作品『君の名は。』と『天気の子』でそれぞれヒロインの声を務めた上白石萌音と森七菜も参加した。
本作は、新海監督が空前の大ヒットを記録した『君の名は。』(2016)、『天気の子』(2019)に続く3年ぶりの新作。九州の静かな町で暮らす17歳の少女・鈴芽(すずめ)が「扉を探しているんだ」という旅の少年と出会うことで、日本各地の廃墟の“災いの元となる扉”を閉じていく旅に出る姿が描かれる。
新海監督は、本作が日本列島を巡るロードムービーであること、扉を閉じていく物語であること、さらには映画館に足を運ぶ理由になるような映画であること、の3つを作品のコンセプトに据えているという。
一つ目の日本列島を舞台にしたことについて新海監督は「これまで全国の舞台あいさつに伺うと、自分たちの街を描いて欲しいという声をいただくことが多かったので、今回は日本各地の風景や魅力的な人々との出会いを描いています。欲張った映画です」と説明。二つ目の「扉を閉じていく物語」という部分については「映画作りもそうですが、仕事も恋愛も、家族も始めるより終わらせる方が難しいと感じることが多くなってきました。いまは可能性を開いていく物語より、広がっているものを閉じ、そして新しい居場所を見つける物語を見たいのかなと感じたんです」と語る。
さらに3つ目の「映画館に足を運ぶ理由になるような映画」という部分については「映画館というのは人間の持つ、感情移入できる能力、物語の没入する能力を発揮させてくれる場所。映画館に足を運び、暗闇で観ることで最大限この能力が発揮できるような映像や音楽を作りたい」と目標を述べていた。
現在、ヒロイン・すずめのオーディションはまだ行われていないことが明かされると、新海監督は「新しい挑戦として、主人公はアクションシーンが多くなっています」と言及。また、前2作『君の名は。』『天気の子』とつながりがあるのかを問われると「アベンジャーズ的なことを期待しているファンがいることは知っていますが、直接的なつながりはない、新しい世界線の物語です。過去のキャラクターが登場するかも現時点では未定です」と語った。
2022年秋の公開を目指し、現在絶賛製作中というが、いち早くVコンテ(動く絵コンテ)を見たという上白石と森は「完成からはまだほど遠いものであるにも関わらず、圧倒されました。ムチャクチャ面白かった」(上白石)、「鳥肌が立つような迫りくる感覚にびっくりしました」(森)と大絶賛していた。
新海監督は「ほかでは見られないような力のある映画を届けたい。公開はまだ先ですが、たくさんの方に劇場に足を運んでいただけることを願っています」と思いを吐露していた。(磯部正和)