MCU版『スパイダーマン』にグリーンゴブリンやドック・オクが今まで登場しなかったワケ マーベル社長が語る
映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2022年1月7日全国公開)のプロデューサーを務めるマーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギが、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)版のシリーズにグリーンゴブリンやドック・オクといった人気ヴィランが今まで登場しなかったことについて、オフィシャルインタビューで語っている。
【画像】新スーツ登場!『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』
トム・ホランドが主演を務める三部作は、主人公ピーター・パーカーの高校生活を主軸に、アイアンマンやニック・フューリーといった既存のMCUヒーローとの共演を実現させた。ファイギ社長は、1作目『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)を製作する際、過去のスパイダーマン映画では行われなかった2つのことを探求したという。「1つは、スパイダーマンの年齢をもっと若くし、高校生活に入ったばかりで、若くしてこれらのパワーを持っていることに対処しながら高校生活を楽しんでいるということ。もう1つは、より広いマーベル・ユニバースを舞台にして、そこに他のヒーローがいるということだ」
MCU版三部作では、バルチャー(『スパイダーマン:ホームカミング』)やミステリオ(『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』)といったキャラクターが、ピーターと対峙する悪役として登場した。サム・ライミ監督版とマーク・ウェブ監督版の両方に登場したグリーンゴブリンや、『スパイダーマン2』(2004)の悪役ドック・オクといった人気ヴィランも登場することはできたと思うが、ファイギ社長は「最初の数作は、今までやらなかったことをどのようにやるかということを常に考えていた。そのためゴブリンやオズコープの新しいストーリー、ドック・オクやこれまで描かれたキャラクターのことをやろうとは思わなかった」と過去に描いたヴィランの物語を再構築することは考えていなかった。「だからこそ、バルチャーやミステリオが重要なキャラクターだったんだ」。
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』では、マルチバースを利用して過去シリーズのヴィランを当時の役者のまま呼び戻している。なかでも、ドック・オクは「アルフレッド・モリナ以上の役者はいない、あの役を引き継ぐのは非常に難しい」と言い続けてきたといい、「もしドック・オクを復活させるとしたら、アルフレッド・モリナでなければならず、その方法を見つけるのは簡単なことではない。今回の『ホームカミング』シリーズ3作目の開発初期段階に、MCUのおかげでその方法があることに気づいたんだ」と振り返った。
MCU版シリーズ全てを手がけたジョン・ワッツ監督の成長も評価しているファイギ社長。「史上最も野心的なスパイダーマン映画である『ノー・ウェイ・ホーム』で、彼が監督として成長し、活気ある新人から活気ある専門家になったことは、見ていて楽しいよ。そして他の映画製作者たちが尊敬し、見習いたいと思うようなスキルで、とてつもないアクションシーンをこなすようになった。それが楽しいのは私が年長の指導者になったということか? そうかもしれない。今、こうして座って見ることができるのは、本当に素晴らしいことだ」と嬉しそうに語っていた。(編集部・倉本拓弥)