犬目線のドキュメンタリー『ストレイ 犬が見た世界』予告編が公開
ほぼ全編が犬目線で撮影されたドキュメンタリー映画『ストレイ 犬が見た世界』の予告編が公開された。自立心が強くいつも単独行動の犬ゼイティン、人懐っこく街ゆく人たちにあいさつを欠かさない犬ナザール、シリア難民の心の拠り所になっている愛らしい子犬カルタルと、個性豊かなイスタンブールの野良犬たちが続々と登場する。
舞台となるトルコでは殺処分や野良犬の捕獲が違法とされており、動物愛護に関する国民の意識も非常に高い。2017年にそんなトルコを旅した愛犬家のエリザベス・ロー監督は、主人公となる犬ゼイティンと出会い、「何か目的を持っているところに惹かれ追いかけた」と振り返る。ロー監督は高性能カメラで半年にわたって犬たちと彼らの視線の先を追い続け、動物と人間の関係性を新たな視点で捉えている。
予告編のナレーションを担当したのは、自身も保護犬を家族として迎え入れている女優の二階堂ふみだ。そんな二階堂だけに本作で映し出される世界には惹かれるものがあったといい、「犬の目線に近いローアングルでの撮影をされているので、たくさんの新しい発見があったり、犬に対するナチュラルな愛情にあふれています。トルコでは、犬が自由に街にいるのが当たり前の生活。『人間以外の動物もここで生活しているんだ』ということが前提のコミュニティが作られているのが、とても素敵だと思いました」と語る。
さらに「外にいる犬たちは、過酷な環境の中でも、彼らの意思でそこにいる。その姿はかっこいいし、逞しい。人間のエゴや価値観だけで動物への接し方を決めず、国がちゃんと犬の尊厳も大事にしているのは、素晴らしいことだと思います。私たちも、こんな風に人間以外の動物の命に対してもっとリスペクトを持ち、それを前提にした社会基盤を作っていけたらと思います。『どうすればもっと寛容な社会になるのか?』この映画を観れば、その問いへのヒントをもらえるかもしれないですね」とコメントを寄せた。(編集部・市川遥)
映画『ストレイ 犬が見た世界』は3月18日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開