東山紀之、『ウエスト・サイド・ストーリー』愛を語る特別映像が公開
東山紀之がスティーヴン・スピルバーグ監督の『ウエスト・サイド・ストーリー』(2月11日公開)への愛を語る3種類の特別映像が公開された。
1961年に映画化もされた伝説のミュージカル「ウエスト・サイド物語」を再び映画化した本作は、多くの移民たちが暮らすニューヨークのウエスト・サイドを舞台に、“ジェッツ”と“シャークス”という二つのグループの対立と、ジェッツの元リーダーであるトニーと、シャークスのリーダーの妹であるマリアの禁断の愛を描いたミュージカル作品。
今回公開されたのは、この物語を“自身の原点”と語り、舞台でトニーを演じたこともある東山が本作への愛を語る泣きそう編、踊りたかった編、世界が変わる編という3種類のCM映像。その中で、「こうやって人間って恋に落ちるんだな」「今まで観たミュージカルの中でも、最高傑作」「これ(指パッチン)で世界が変わる気がします」とコメントを寄せている。
さらに、特別映像以外でも「一度は手を携えた人たちの分断が、今この世界のあちこちで起こっています。もっと相手のことを知るべきですし、再び手を取り合うことが可能なのではないか」と作品から受け取ったメッセージについて明かした。(今井優)
映像には入りきらなかった、インタビューコメント全文は以下の通り。
Q.改めて本作を御覧になっていかがでしたか?
一度は手を携えた人たちの分断が、今この世界のあちこちで起こっています。もっと相手のことを知るべきですし、再び手を取り合うことが可能ではないか。この映画から、そんなメッセージを改めて受け取りました。そして、そのメッセージを最高の歌とダンスというエンターテインメントで届けることが、いかに正しいかも教えてもらった気がします。
Q.以前「『ウエスト・サイド・ストーリー』は僕の原点」とおっしゃっていましたが、この物語との“出会い”はどのようなものだったのでしょうか?
僕らの先輩のジャニーズが、野球の練習が雨で中止になって観に行ったのが、1961 年の『ウエスト・サイド物語』で、その話は伝説として残っていました。15 歳の頃、(ジャニーズ事務所の)合宿所で僕はそのVHS ビデオを観たわけです。ジャニーズの先輩たちと同じように、心が動いちゃいました。文字どおり“恋に落ちた”ようなものです。面白い作品を何度も繰り返し観て、そのたびに楽しむ子供と同じ感覚でした。一切セリフのないオープニングナンバーから引き込まれ、ジョージ・チャキリスが脚を上げるあのダンスをみんなでマネするわけです。そうやって考えれば、『ウエスト・サイド・ストーリー』がなければ、今のジャニーズ事務所も存在していなかったかもしれません。そのファッションから、音楽、ダンス、作品のスピリットまで、『ウエスト・サイド・ストーリー』はその後の日本のエンターテインメントの基盤になったと思います。
Q.2004 年に少年隊のミュージカルでトニー役を演じたことは、東山さんの役者人生において何か影響を与えましたか?
僕の人生の中であれだけ真剣に取り組んだ作品はなかったでしょう。日本でなかなか演じるチャンスのない『ウエスト・サイド・ストーリー』ですから、まさに真剣勝負でした。ジャニーズ事務所にいてミュージカルを頑張ってきたことが実を結んだのです。社会的な背景を理解し、メンタルから役に入るメソッドは、世界中で『ウエスト・サイド・ストーリー』を演じたキャストが受けたものであり、その一員になれたことがうれしかったです。
Q.本作を通して、今の10 代から20 代の方々や特にジャニーズ事務所に所属している後輩達に何を感じ取って欲しいですか?東山さんが本作を通して伝えたいメッセージがあれば教えてください。
愛することの美しさ、でしょうか。物語のラストで愛は永遠になるのですが、そこから愛に対する思いをもう一度考えてほしいですね。
Q.この作品を観ることで、若い観客にダンス、エンターテインメントとして、また作品としてどう受け取ってほしいですか。
(SNS などで)世界はつながっているので、ダンスの高度なテクニックもみんなすぐにできるんです。今の若い人たちの方が理解が早くて、おそらくこの映画を観て、みんなで意見を言い合うんじゃないでしょうか。僕には世界を変えらないかもしれないけれど、若者たちが柔軟な発想で変える気がするんです。『ウエスト・サイド・ストーリー』を観たら、分断がいけないという、本質的な何かに気づくはず。「こうなっちゃいけないから、僕らは何をすべきか」。『ウエスト・サイド・ストーリー』は、そこを訴えていると思います。