『ゴーストバスターズ』から38年…オリジナルキャストの現在
今夜4日の金曜ロードショーでは、公開当時一世を風靡(ふうび)し、現在も絶大な人気を誇る大ヒット映画『ゴーストバスターズ』(1984)を放送。ゴーストバスターズの面々をはじめ、個性的なキャラクターを演じたキャストたちは現在どうしているのか。(編集部・入倉功一)
ビル・マーレイ/ピーター・ベンクマン博士役(71)
ダン・エイクロイド、ハロルド・ライミスと同じく、即興コメディー劇団セカンド・シティ出身で、バラエティー番組「サタデー・ナイト・ライブ」で人気を博していたビル・マーレイは、女性好きな皮肉屋で、超常現象をどこか俯瞰で見ているベンクマン博士を、持ち前のオフビートなテイストで好演。コンスタントに映画出演を続け、ライミスが監督・脚本を務めた、タイムリープものの代表作として知られるラブコメディー『恋はデジャ・ブ』(1993)など、数多くの名作で知られている。『ロスト・イン・トランスレーション』のソフィア・コッポラ監督、『ブロークン・フラワーズ』のジム・ジャームッシュ監督、『天才マックスの世界』のウェス・アンダーソン監督など、才能あふれる個性派監督とのタッグ作でも高く評価されており、アンダーソン監督の新作『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』が現在公開中だ。
大スターにも関わらずエージェントを雇っていないことでも有名。複数メディアによると、鳴りやまないエージェントからの電話に嫌気がさした彼は現在、秘密のフリーダイヤルに残されたボイスメッセージでオファーを確認しているという。ただ、ビルがメッセージを聞くことはめったになく、コンタクトを取りたい業界人はかなりやきもきさせられるそうだ。
ダン・エイクロイド/レイモンド・スタンツ博士役(69)
1970年代から「サタデー・ナイト・ライブ」で人気を博し、脚本チームとしてエミー賞も受賞しているダン・エイクロイド。『ゴーストバスターズ』のコンセプトを発案し、ライミスと共に脚本も手がけた生みの親にして、超常現象を語り出したら止まらない、ゴーストバスターズの“ハート”を象徴するスタンツ博士を演じた。
映画業界ではその後も『ドラグネット・正義一直線』(1987)、『スパイ・ライク・アス』(1985)、『花嫁はエイリアン』(1988)など、俳優・脚本家として活躍。『ゴーストバスターズ 2』(1989)と同年に公開された『ドライビング Miss デイジー』では、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。『マイ・ガール』(1991)などでも好評を得る一方、監督・脚本・出演をこなした『絶叫屋敷へいらっしゃい!』(1990)などで最低映画賞ラジーを受賞するなど、浮き沈みを経験している。『ゴーストバスターズ』には関わり続けており、2009年に発売されたビデオゲーム「Ghostbusters: The Video Game」のストーリーに参加。2016年に女性キャストで製作された『ゴーストバスターズ』(2016)では製作総指揮に名を連ね、出演もしている。
ハロルド・ライミス/イゴン・スペングラー博士役
さまざまな対ゴースト装置を開発した、ゴーストバスターズの“頭脳”スペングラー博士を演じたハロルド・ライミスさんは、ビルやダンを輩出したセカンド・シティをはじめ、演劇界における脚本家・俳優としての活動を経て、『ゴーストバスターズ』のメガホンを取った、アイヴァン・ライトマン監督がプロデュースした『アニマル・ハウス』(1978)の脚本に参加。『ゴーストバスターズ』でもダンと共に脚本にクレジットされている。
『ゴーストバスターズ』以外では監督・脚本をメインに活動し、『恋はデジャ・ブ』(1993)、『クローンズ』(1996)、『アナライズ・ミー』(1999)、『悪いことしましョ!』(2000)などを監督。俳優としても『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』(2007)などに出演していたが、2014年、炎症性血管炎の合併症のため、69歳にしてこの世を去った。
シガニー・ウィーバー/ディナ・バレット役(72)
『エイリアン』(1979)のヒットで、当時すでにスターの仲間入りをしていたウィーバーは、一流コメディアンでもあるビルたちを相手に見事なケミストリーを披露。ゴーストに憑りつかれる場面でも熱演し、作品に説得力を与えた。その後は『愛は霧のかなたに』(1988)、『ワーキング・ガール』(1988)でゴールデン・グローブ賞を獲得。両作品と『エイリアン2』(1986)で米国アカデミー賞にもノミネートされた。さらに、1997年の『アイス・ストーム』では、英国アカデミー賞(BAFTA)を受賞している。
『エイリアン』のリプリー役は彼女のライフワークとなり、『エイリアン4』(1997)まで出演。現在もSF、コメディー、サスペンスなど、幅広いジャンルの作品で活躍中。ジェームズ・キャメロン監督の『アバター』(2009)でも主要キャストを務め、5部作になるともいわれている続編にも参加している。
リック・モラニス/ルイス・タリー役(67)
ディナの隣人ルイスを演じたリック・モラニスは、もともとキャスティングされていたジョン・キャンディの降板を受けて本作に出演。「サタデー・ナイト・ライブ」等への出演でコメディアンとして人気だったが、本作以降は『リトルショップ・オブ・ホラーズ』(1986)、『スペースボール』(1987)、『ミクロキッズ』(1989)、『フリントストーン/モダン石器時代』(1994)などのコメディー映画でも活躍した。
1991年に妻でメイクアップアーティストだったアン・ベルスキーさんをがんで亡くし、『ミクロキッズ3』(1996)以降は、子供たちのために俳優活動を休止していた。近年、活動を再開し、『ミクロキッズ』のリブート作品への出演が報じられている。2020年に、ニューヨークの路上で通りがかりの男から理不尽な暴行を受けたことも話題となった。犯人は逮捕され、モラニスは代理人を通じて「元気でいて、皆さんの思いに感謝している」と声明を寄せている。
アニー・ポッツ/ジャニーン・メルニッツ役(69)
ゴーストバスターズ社の受付係ジャニーンを演じたアニー・ポッツは、『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』(1986)などに出演し、1986年から1993年にかけて放送されたシットコム「浮気なおしゃれミディ」で人気を博した。主にテレビ界で活躍し、現在も大ヒットドラマ「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」のスピンオフ「ヤング・シェルドン」などに出演している。ディズニー&ピクサーの人気アニメ『トイ・ストーリー』(1995)、『トイ・ストーリー2』(1999)、『トイ・ストーリー4』(2019)のボー・ピープの声でも有名だ。
アーニー・ハドソン/ウィンストン・ゼッドモア役(76)
最も観客に近い目線でゴースト騒動に巻き込まれる、ゴーストバスターズ社の新入社員ウィンストンを演じたアーニー・ハドソンは、『ゴーストバスターズ』『ゴーストバスターズ2』の後も『ゆりかごを揺らす手』(1991)、『コンゴ』(1995)、『バスケットボール・ダイアリーズ』(1995)、『野獣教師』(1996)、『デンジャラス・ビューティー』(2001)など数多くの映画に出演。また、ドラマ「OZ/オズ」へのレギュラー出演などテレビ界でも活躍しており、近年も『バッドボーイズ』のスピンオフシリーズ「LA's FINEST/ロサンゼルス捜査官」に出演。ビルたちと共に2016年版の『ゴーストバスターズ』にもカメオ出演している。
ウィリアム・アザートン/ウォルター・ペック役(74)
ニューヨークにゴーストがばらまかれる原因となった、環境局の小役人ウォルター・ペックを演じたウィリアム・アザートンは、『ダイ・ハード』(1988)、『ダイ・ハード2』で演じたごう慢なテレビリポーター役でも有名。「デスパレートな妻たち」「LAW & ORDER ロー&オーダー」などのテレビシリーズやNetflix映画『クリニカル』(2017)などに出演している。