「カムカム」ラストを飾るヒロイン、川栄李奈登場!これまでにない登場シーンの意図とは?
第15週に突入した連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土、NHK総合・午前8時~ほか、土曜は1週間の振り返り)。第71話では、最後のヒロインとなる川栄李奈が、ひなた役として登場したが、そのファーストシーンは、なんと布団の中という破天荒な展開。演出を務めた橋爪紳一朗と、制作統括の堀之内礼二郎が、川栄の登場シーンやヒロインとしての魅力について語った。
連続テレビ小説の第105作「カムカムエヴリバディ」は、昭和から令和にわたる時代をラジオ英語講座と共に歩んだ祖母・母・娘、3世代の親子の100年を描いた物語。第15週の71話、るい(深津絵里)と錠一郎(オダギリジョー)の間に生まれたひなたは、高校3年生となり、新津ちせから川栄へとバトンタッチされた。
川栄のファーストシーンは、布団を顔まで被ったベッドの中。橋爪は「最初に藤本有紀さんの脚本を読んだときは、びっくりしました」と明かすと「基本的にヒロインということで、最初はきれいな感じで出てくるのかと思いきや、寝起きシーンですからね」と笑う。
この回では、劇中のテレビの画面では連続テレビ小説「おしん」の第1回放送シーンが流れている。そこで錠一郎は「この朝ドラすごいねん。15分近くヒロインが出て来ぃひんかったんや。名作の気がするな」とひなたと会話を交わす。橋爪は「この錠一郎のセリフではないですが、ヒロインには『ここで登場します』みたいな感じではなく、さりげなく出てもらいたいという意図がありました」と川栄の登場意図を明かす。
川栄はオーディションでひなた役を獲得したが、橋爪は「以前ほかの番組のオーディションで川栄さんにお会いしたことがあったのですが、こちらが求めていることや考えていること以上のお芝居を見せてくれるんです。なんでもそつなくこなしてしまう天才肌の女優さんです」と衝撃を受けたことを明かす。
堀之内も「アンカーを務めるヒロインとしてふさわしい、素晴らしく魅力的な役者さんだと思っています。多くの方に川栄李奈さんの魅力を再発見して頂けたら嬉しいですし、そうなるんじゃないかと期待しています。新津ちせさんが演じていたひなたのときは、るいさんの母親としての葛藤も物語の大事な要素でしたが、川栄さんが登場してからは、話のメインがひなたへとシフトしていきます。ここからがひなた編の始まりだと言えるので、ぜひ注目していただければと思います」と語っていた。(取材・文:磯部正和)