木村文乃主演、深田晃司監督『LOVE LIFE』公開決定 矢野顕子の楽曲モチーフに構想20年
『本気のしるし 《劇場版》』『淵に立つ』などの深田晃司監督が、矢野顕子の同名楽曲をモチーフに一組の夫婦の物語を描く、木村文乃主演作『LOVE LIFE』の秋公開が決定し、ティザービジュアルと特報映像が公開された。国際的な評価も高い深田監督の新作とあって、本編完成前からフランスでの公開も決定している。
矢野の同名楽曲に感銘を受けた深田監督が、構想期間20年を経て完成させたという本作。1991年に矢野が発表したアルバム「LOVE LIFE」に収録された、「ひとつとして、同じ形をした愛は無い」ことを歌った楽曲を、深田監督が「愛」と「人生」に向き合う夫婦の物語として完成させた。
深田組初参加となる木村文乃が演じるのは、ある出来事によって、愛する夫と息子に恵まれた幸せな人生が一変してしまう主人公・妙子。突然の悲しみによって、家族の平穏が壊され、信じていた日常が瓦解していくなかで、孤独を抱えながら「愛」と「生」に向き合う役に、全てをぶつけて挑んだ。
「余計についてしまったものを全部そぎ落として、これまでとは違う道へひたむきに進みたいと思った時に『LOVE LIFE』とのご縁を頂きました」という木村は、聴者の役だが手話表現にも挑戦しているといい「とても新しい一面が見える作品になる」と新境地を期待させるコメント。深田監督も木村について「初めてのお仕事でしたが、決して簡単ではない役をリハーサルから一緒に作り上げることができたのは私にとっても大切な時間となりました。一本芯の通った木村さんの強さをこの作品で皆さんにも感じ取って頂けるのではないかと思います」と語っている。
ティザービジュアルでは、黄色い風船や美しい花々といった華やかな背景と、ずぶ濡れでどこか物憂げな妙子の表情との対比に目を奪われる。特報も、矢野の歌声と共に幸せそうな毎日を送る妙子が映し出されたと思いきや、不穏な鐘の音と共に雰囲気が一変する。妙子の「私、一度彼を見捨てているの」というつぶやきは何を意味しているのか。深田晃司監督、矢野顕子、木村文乃のコメント全文は以下の通り。(編集部・入倉功一)
深田晃司監督
矢野顕子さんの「LOVE LIFE」を初めて聴いたのは二十歳の頃でした。「なんて美しい歌、美しい歌詞なのだろう」と心震える思いで、矢野顕子さんの多くの歌がそうであるように、言葉のひとつひとつが重層的な意味を持ち様々な解釈を許してくれました。「LOVE LIFE」を何度も聴くうちに、自然と一本のシナリオが思い浮かびました。ある夫婦の話でした。そして、どうしたらその物語とともに最高のかたちで「LOVE LIFE」を映画館に響かせられるかばかりを考えるようになりました。それから20年が経ちました。しぶとく企画を持ち歩き続けていたら、多くの仲間の力を得てこうして映画化することができました。自分は幸せ者です。
主演の妙子を演じてくれた木村文乃さんとは初めてのお仕事でしたが、決して簡単ではない役をリハーサルから一緒に作り上げることができたのは私にとっても大切な時間となりました。一本芯の通った木村さんの強さをこの作品で皆さんにも感じ取って頂けるのではないかと思います。早くスクリーンにお届けしたくて仕方がありません。どうぞお楽しみに。
矢野顕子
ひとつとして、同じ形をした愛は無い。
そのことを丁寧にうつし取って映像にして見せてくれる、それが『LOVE LIFE』です。
音楽の”LOVE LIFE ”にこんな大きな風景を見せてくださって、ありがとうございました。
木村文乃 コメント
余計についてしまったものを全部そぎ落として、
これまでとは違う道へひたむきに進みたいと思った時に
『LOVE LIFE』とのご縁を頂きました。
深田監督の人柄を知れば知るほど、
安心して身を委ねて、監督が作られた本の中にある
大沢妙子という、ひとりの人を
精一杯生きてみようと思いました。
深田晃司監督作品をこれまでご覧になっている方々にとっても
私のことを応援してくださっている方々にとっても
とても新しい一面が見える作品になると思います。
本作を通して、自分なりの「LOVE LIFE」という言葉の意味を、
見つけて頂ければと思います。