古谷徹、15歳のアムロ熱演　劇場版で演じるのは「これが最後かも」

　9日、映画『機動戦士ガンダム　ククルス・ドアンの島』のザクの日（3月9日）スペシャル会見が都内で開催され、アムロ・レイ役の古谷徹、ククルス・ドアン役の武内駿輔、安彦良和監督が出席。劇中で再び15歳のアムロを演じる古谷は「40年ぶりに15歳のアムロを演じることができてこんなにうれしいことはない！」と笑顔を見せると「僕が劇場で15歳のアムロを演じるのは、もしかしたらこれが最後になるかもしれません」と語っていた。

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　本作は、1979年に放送された「機動戦士ガンダム」の第15話として放送されたエピソード「ククルス・ドアンの島」を「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の安彦監督が映画化。通称「帰らずの島」と呼ばれる孤島を舞台に、ジオンの脱走兵ククルス・ドアンとアムロの出会いを、彼らが操縦するザクやガンダムによる迫力のモビルスーツ戦と共に描く。

　映画化企画について「たった30分に満たない『ククルス・ドアンの島』をなぜ映画化するのだろう」と最初は疑問に思ったという古谷。しかし、その一方で「放送当時から、ファンにとって話題になっていた素敵なストーリーの回だったので、映画としてクオリティーの高い作品になるだろうなとワクワクしました」と期待に胸を膨らませていたという。

　ドアン役を担当する武内は、テレビアニメの放送時はまだ生まれていなかったというものの、両親がファーストガンダム世代。「僕自身、作品（ガンダム）を観て声優になりたいと思ったぐらい」と大きな影響を受けていたことを明かすと、シリーズへの参戦に「伝説のスタッフ陣のなかで演技をさせていただくことは、プレッシャーでもありましたが、強い感動と共に挑みました」と胸の内を明かしていた。

　なぜ、いま『ククルス・ドアンの島』を映画化したのか。その問いに「説明すると長くなる。偶然と必然が微妙に絡み合った」と語る安彦監督は、さらに「でも“神回”といろいろなところでおっしゃっていただいていますが、なんのことはない、出来の悪い話なんですよ」と切り出すと「僕もパソコンをいじるので、『作画崩壊』と検索すると、『ククルス・ドアンの島』と出てくるのは知っています。因縁のある話なんです。面倒な話だとは思いますが、サンライズの新旧社長がいたときに『やりたい』と言って、話が進んだんです」と経緯を説明する。

　さらに安彦監督は、本作について「『THE ORIGIN』はマンガ原作の映像化だったので、オリジナルを作っているような感じはしませんでしたが、今回は20分そこそこの作品を映画にしたので、ゼロから作り上げた感覚で、非常に新鮮でした」と述べると「僕にとってのガンダムは最初のシリーズのガンダムしかないんです。この作品をやって、もう思い残すことはない。引退うんぬんと大げさな言い方はしませんが、これが最後になるだろうなと思います」ときっぱり語り、悔いのない作品に仕上げることを誓っていた。（磯部正和）

映画『機動戦士ガンダム　ククルス・ドアンの島』は6月3日より全国公開