第3回大島渚賞に『海辺の彼女たち』藤元明緒監督
2019年に「ぴあフィルムフェスティバル」(以下、PFF)が創設した映画賞「大島渚賞」の第3回受賞結果が10日に発表され、映画『海辺の彼女たち』の藤元明緒監督が受賞者に選ばれた。
大島渚賞は、映画の未来を拓き、世界へ羽ばたこうとする若き映画監督に対して贈られる映画賞。日本で活躍する映画監督(劇場公開作3本程度)で、原則として前年に発表された作品がある監督を選考対象に、大島渚監督作品を知る世界各国の映画人から推薦を募り、審査員が受賞者を決定する。審査員長は坂本龍一(音楽家)、審査員は黒沢清(映画監督)、荒木啓子(PFFディレクター)らが務める。
第3回受賞者となった藤元監督は、技能実習生として日本で働くベトナム人女性たちの過酷な日々を描く『海辺の彼女たち』で、2021年度「新藤兼人賞」金賞ほか、第13回TAMA映画賞の最優秀新進監督賞など多数の映画賞を受賞。新作短編『白骨街道 ACT1』が、4月にミャンマー支援企画「映画を観て、ミャンマーを知る Vol.2」の上映作品として劇場公開される。
受賞者決定を受けて、4月3日に東京・丸ビルホールで記念上映会を実施。受賞者と審査員を交えたトークショーと共に、『海辺の彼女たち』と、大島監督が1968年に発表した『絞死刑』が上映される。
大島渚賞第1回はハンガリーの巨匠タル・べーラ監督の弟子であり、『鉱 ARAGANE』『セノーテ』で高評価を得た小田香監督が受賞。昨年の第2回は「該当者なし」という結果だった。(編集部・入倉功一)